2.ここまできて、やめられない(サンクコスト効果)

リラへの投資を続けるも、これはもうダメだと諦めて手放してしまい、そこからリラが上昇に転ずるほど悔しいことはありません。

そんな理由からも、ズルズル下がるリラを売らずに(売れずに)、むしろ買い増してもいます。

頭では分かっています、これはダメな投資の典型例だと。

これはいわゆる「サンクコスト(埋没費用)」効果と言われるもので、それまでつぎ込んだ資金がもったいない(失敗を認めなくない)ことから、合理的な判断ができずに、ズルズルと続けてしまうことを言います。

ダメだと思ったら即損切りをする、これが投資の基本です。

しかし、FPの立場ではなく、一個人投資家の立場から言わせてもらえば、実際のところ、それができるか否かは別問題です。

頭では分かっていても、本能としては、なかなかできないものです。

損切りについては、強固な意志をもってできる人と、できない人がいるわけです。

私は当初、リラの損切りができないことに葛藤していましたが、それは、リラを手放した後の上昇リスクにおびえるほうが、(私にとっては)精神的にしんどいと感じるからだと気付きました。

そして今では、「私は損切りできない」と認め、腹をくくって、リラへの投資を続けているわけです。

3.高金利には、あらがいがたい

現在、トルコリラの政策金利は17.5%。

これは相当な高金利でして、それゆえ、FXで20万リラ保有している私は、1日あたり500円程度のスワップ金利を受け取っています。

ただ、高金利の国の多くはインフレ状態であり、そんな物価の上昇は、通貨価値の下落につながります。

実際、トルコのインフレ率は約40%とすさまじく、そしてセオリー通りに、リラは下落しているわけです。

高い金利を受け取れても、通貨が下がっては意味ないですよね。

しかし、通貨が下がっても、その高い金利が、通貨下落の損失分を埋め合わせてくれると捉えることもできます。

実際、私は、高いスワップ金利を受け取り続けているおかげで、リラ下落による損失はある程度埋め合わされて、幾分、気持ちも和らいでおります。

通貨の動きによる収益(損失)は読めませんが、金利の収益は確実に読めることも(長期的には金利水準も不確定ですが)、気持ちの上では大きいものです。

投資の基本として、「高金利に釣られない」ことは分かってはいますが、やはり高金利の魅力にはあらがいがたいものがあり、これも私がリラに投資する理由の一つです。