夫にネチネチ文句を言われ続ける結婚生活

しかし、いざ結婚してみると、夫に人づき合いのないことが途端につらく感じられるようになります。なぜなら自分の時間が持てず、家にずっといる夫に生活のペースを合わせなければならないからです。

堀井亜生『モラハラ夫と食洗機 弁護士が教える15の離婚事例と戦い方』(小学館)
堀井亜生『モラハラ夫と食洗機 弁護士が教える15の離婚事例と戦い方』(小学館)

想像してみてください。暗くなるより前に帰宅して、ただ不機嫌そうにソファに座って「ご飯を作るのが遅い」「一日家にいたくせにゴミが落ちているぞ」と、ネチネチ文句を言う夫。

夫は昼はお弁当持参で、仕事終わりに飲みにも行かないため、朝・昼・晩と毎日必ず3食準備しなければいけません。息抜きに外食したいと言うと「家で食べたほうが安上がりだ」と怒り出します。

妻が休日に友だちと出かけたくても、「誰と行くんだ」「交通費がもったいない」「時間の無駄だ」と小言が始まり、家にいることを要求してくるのです。考えただけで、息が詰まりますよね。

結婚式に呼べる友だちがいなかった

相談者の多くが、「今思うと夫は結婚式に呼べる友だちがいなかった」と振り返ります。そのため、夫が式は挙げないと言い出した、式は挙げたが自分は呼ぶ友だちを大幅に減らした、友だちは呼ばずに親戚だけで式をしたといった話が出てきます。なかには、人数のバランスを取るために、夫の友人としてサクラのバイトを呼んだという人もいました。

ポイントは、友だちが多いか少ないかではなく「一人でも友だちがいるかどうか」です。ゼロと1では大違いで、これまでの人生で友人と呼べる存在が一人もいない、誰も彼に寄り付かなかったということは、よほどのことです。

交際中は軽く考えがちですが、友人だけでなく親ともうまくいかない人が、果たして妻や子どもとうまくやっていけるでしょうか。違和感を覚えたら、一度結婚について真剣に考えてみてください。

堀井 亜生(ほりい・あおい)
弁護士

北海道札幌市出身、中央大学法学部卒。堀井亜生法律事務所代表。第一東京弁護士会所属。離婚問題に特に詳しく、取り扱った離婚事例は2000件超。豊富な経験と事例分析をもとに多くの案件を解決へ導いており、男女問わず全国からの依頼を受けている。また、相続問題、医療問題にも詳しい。「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)をはじめ、テレビやラジオへの出演も多数。執筆活動も精力的に行っており、著書に『ブラック彼氏』(毎日新聞出版)、『モラハラ夫と食洗機 弁護士が教える15の離婚事例と戦い方』(小学館)など。