「種」がお金になるのか調べる
次に、見つかった「種」が「花」になる可能性があるかを調べます。「お金をもらえる仕事になるか」の市場調査です。
たとえば、趣味は何もないけど、経理は本業で15年やってきたという人がいます。「お金の計算は苦じゃないし、基礎知識もあるけど、起業となると無理かも」と考えます。そんなときはインターネットで「経理 個人向け サービス」とキーワード検索してみます(図表1)。
検索結果によって、「へー、こんな検索ニーズがあるんだ。あ! 放課後デイサービスって学童だよな。確かに学童の経理ってプロが入っているのかなぁ。民間だとどうなっているのかな」と調べたり、「今後共働きがますます増えるから、規模の小さい民間学童も増えるかもしれない。外注で経理を請け負えば仕事になるかも」と考えたりしてみるのです。
そのうえで、「放課後児童支援員の資格」「民間でよく使われている経理システム」「学童経理の不満、困っていること」などをさらに調べて、自分の持っている「時間とお金を使ったこと」に追加すべきスキルがあるなら足す方法を考えます。
ここでのポイントは「大きく稼げるビジネスモデル」がないからといって、パソコンを閉じないこと。大きな事業をつくるわけではなく、「毎月10万円、1人あたり5000円払ってくれる人が20人いればOK」なビジネスモデルを探しているのです。1人あたり1000円で100人、1万円で10人、5万円で2人でもいいスモールビジネスです。
「種」を複数見つけておくと「花」になる確率が上がる
こうやって「種」が「花」になるポイントを探していきますが、必ずしもすべての「種」が花咲くわけではありません。
現在本業がある人は、今のうちから複数の「種」を探して、見つけた「種」をケアしておきましょう。
・ 「種」に水をやったり、肥料を足したりする……追加で持っていたら良さそうなスキルや経験を考えて資格を取得してみる。スキルや経験につながりそうなプロジェクトがあったら、無給でもいいので参加してみる。
・ 「種」を間引く……少しやってみて、「お金」「つながり」「健康」の3つを満たさないものは除外する。健康を阻害する、孤独な作業のみなど、条件に適さないものはやめる。
こうやって「種」を少しずつ育てておくのです。すると、老後だけでなく、子どもの不登校、パートナーの転勤など「働き方そのものを見直すタイミングが来た」「考え方や環境が大きく変わった(今回のコロナのように)」ときに花開くことがあるかもしれません。