信頼性調査でトヨタが首位、テスラは…
自動運転技術への疑念が相次ぐテスラだが、経営上の懸念はほかにもある。
EVを主力とする同社だが、一方で少なくともアメリカ市場においては、ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド方式に対して高い信頼が寄せられているようだ。
米非営利団体が発行するコンシューマー・リポート誌による自動車信頼度ランキングにおいて、ハイブリッド車のラインナップを拡充している日系自動車企業が信頼性調査で上位を席巻した。一方のテスラは24ブランド中19位に沈んでいる。
同ランキングは実績ある番付であり、大規模な調査を基に毎年改訂されている。ここでの信頼性とは、予想される故障率の低さを示す。
今年は同誌会員から寄せられた30万台以上の自動車のデータを基に、17の分野におけるトラブルの発生率からブランドごとの主なモデルの安全性指標を算定した。過去のモデルの故障率を基に現行モデルの信頼性を推定し、予測信頼性スコアとして公開している。
ブランド別の信頼性順位は、首位から順にトヨタ、トヨタの高級ブランドであるレクサス、BMW、マツダ、ホンダとなっており、上位5位中4ブランドを日系が占めている。全ブランドの平均スコアが59ポイントという状況で、トヨタおよびレクサスは72ポイントという高い値をマークした。
EVの信頼性は「最も低い部類」
こうした上位ブランドは、実績あるハイブリッド・モデルに注力したことで高い信頼スコアを得たようだ。同誌は次のように分析している。
「今年の電動モデルにおける信頼性については、興味深い発見があった。(ブランドごとではなく)カテゴリごとに大別すると、ハイブリッドおよびプラグインカーが最も信頼の置ける部類となっており、その予測信頼性スコアは78ポイントに達する。なかでも、トヨタ カローラ ハイブリッド、プリウス、そしてプリウス プライム(日本名:プリウス PHV) プラグインハイブリッドなどが突出している」
一方、テスラが得意とするEVへの評価は低い。コンシューマー・リポート誌は、「より多くのEVが市場に出回るようになり、自動車企業らは生産ペースを拡大している。だが、バッテリーパック、充電システム、そして駆動系のモーターなどに問題を抱えている例がいくつか見受けられる」と指摘する。
テスラを名指ししているわけではないものの、EVという駆動方式上、信頼性において一般的にハイブリッドに劣る傾向にあるようだ。
米CNBCは本リポートを取り上げ、「EVは新技術であるため信頼性が低い」「従来型のフルサイズのピックアップトラックを除けば、バッテリー駆動のEVは(信頼性において)最悪のスコアを記録するセグメントとなった」と報じている。