「もっとフェミニンな香りの香水を」
自分が本当にやりたいことは何か――。李さんにとって、20代の頃は自身にそう問い続ける日々だった。
きっかけは、1社目で上司からのセクハラ、パワハラまがいの指導に耐えかねて転職を決めたこと。「おまえは女性として可愛げがないから、もうちょっと可愛くふるまった方がいいよ」「香水はもっとフェミニンな香りのものにした方がいい」などと、毎日口うるさく言われたという。
「会社の他の人のことは好きでずっと耐えていたけれど、半年ほど経ったころ、自分の中で張りつめていたものがブチッと切れてしまいました。いつものように、もっと女性らしくなどと言われていた際に『わかりました。明日からもう会社に来ません』と伝えて。そのまま会社を辞めました」