他人を味方につけるズルい言い方。自分の考えとして簡潔に話す

×【余計】常識的に考えると○○だよね
○【愛され】私は○○だと考えています

「常識的に考えると」という言葉は、「たくさんの人がこう考えている」という意味合いを強調することで、相手を従わせようとする意思が透けて見える言葉。

「他人を引き合いに出して、相手を動かそうとするのはフェアではありません。また、相手も『それが常識なの?』と感じて、話の内容に納得しづらいもの。相手に言いたいことがある場合は、自分の意見として、『私はこう考えています』と簡潔に伝えることで相手も納得し、理解を得られやすくなります」

そのほか「一般的には」「普通は」「世間は」「みんな言ってるよ」「◯◯さんも言っていたけど」なども同じ意味合いを持つ言葉。

「いずれも自分の意見を押し通そうと、不特定多数を加勢につけているようで、ひきょうな印象を与えかねません。相手がしっかりと納得できるよう、自分の意見として、わかりやすく内容を伝えることで、仕事においても、人間関係においてもトラブルを避けることができるはずです」

ただの自慢話になって逆効果。役立つ情報だけ共有を

×【余計】私のときは○○だったわよ
○【愛され】私が使った△△は便利だったわ

部下が仕事で困難にぶつかったときなど、「私のときは、もっと大変だったわよ」など自分と比較するような言い方は、やる気を損ねるもの。

「本人は励ましているつもりかもしれませんが、これではただの自慢話。相手も『私の気持ちを全く理解してくれない』と思ってしまいます。本当に相手をサポートしたいなら、まずは『大変だ』と感じている相手の気持ちを受け止めたうえで、『私が使った△△は便利だったわ』『この資料が参考になるわよ』など役立つ情報を伝えましょう」

また、子どもの体調不良で欠勤する部下に対して、「私は、そのくらいのことで休んだりしなかった」などと言うのは、マタニティーハラスメント(マタハラ)にあたることも。

「マタハラは、女性が女性に対して行うケースが多いもの。自分が体験しているからこそ、つい言いたくなる気持ちもわかりますが、『私はこんなに大変だったけれど、あなたは大したことはない』といったニュアンスを持つ言葉はNGです」