日本人は戦争のときに日本のために戦うことを考えているのか?
日本国籍に帰化するために、7項目の条件がある。その一つに「日本国・日本政府・日本国憲法に反する思想を持っていた過去がないこと」という項目があるのだが、この点において「日本への愛国心の確認をもっとするべきだ」という意見もある。その意見の先には「日本が戦争になったとき、日本に忠誠を誓って、日本のために戦えるのか」という話があるのだが、ここで改めて、日本国民の皆さんには考えてほしい。日本が戦争になったとき、皆さんは日本のために戦うのだろうか、そんなことを考えて日本人をやっているのかということを――。
ロシアのウクライナ侵攻にまつわる僕の言動で多くの批判を受け、いろいろと悩んだ結果、「自分の命が第一だ」と考えるようになった。だから、自分の命をなげうってまで、日本のために戦おうとは思わない。でも、僕は日本を愛している。忠誠心を持っているかどうかはわからないが、自分の愛着のある土地が他国に攻められるのは、悔しいし許せない気持ちになるだろう。そこで、戦って死なない見込みが高ければ戦うかもしれないが、自分が死ぬ可能性が高いと判断すれば、僕の場合は自分の命のほうが優先度は高い。というかこの地球上で僕自身の命を投げ出してまで戦って守ろうと思える場所はない。
死にたくないという気持ちは、今の素直な気持ちだ。これを批判する人は胸に手を当てて、本当に自分は逃げ道を模索せずに命を投げ出して戦うのか、自分に問いかけてみてほしい。僕は、このことは神様の前で胸を張って言える。というか、そんな選択をしなければならないような状況に日本が向かわないように、全力を尽くしたいと思っている。
日本だって戦争から遠い国ではない
僕は日本が戦争から遠い国だとは思っていない。日本と韓国は極東にある西側諸国だ。中国やロシア、北朝鮮など東側の国からしたら、きっと邪魔な存在だろう。ウクライナとは事情が違うが、もし日本が戦争になったら、アメリカがどこまで守ってくれるのかわからない。
日米同盟はあるとはいえ、大統領が代わり、時代とともにアメリカの国としての体制や考え方が変われば、それだってわからない。そもそも国民の直接選挙で選ばれる大統領は、大衆の人気や世論にその進退が左右される側面がある。日本を援助することに対してアメリカ国民の支持を得られなかったら、手のひらを返されることも可能性としてはあると思う。
第二次世界大戦、太平洋戦争を経た日本は、宗教と戦争を一気に遠ざけられた国だ。日本国憲法第9条は、1項で「戦争の放棄」、2項で「戦力の不保持」「交戦権の否認」を定めており、憲法の基本原則の一つである「平和主義」を規定している。だから戦争は遠い国の出来事だと思いがちだが、実はそんなことはない。
コロナ禍になって以降、日本の報道はコロナ一色になった。メディアが結託して危機感を煽って報道すれば、一つの方向にいつでも突っ走る可能性がある。きっと日本だけではなく、世界でも同様に報道されていたとは思うが、日本人は罰則があるわけでもないのに真面目にステイホーム、自粛を守って過ごし、外出する際には当然のようにマスクを着用している。2019年にはまさか新型コロナウイルスによってこんな世の中になるとは誰も思っていなかったし、2021年にもロシアがウクライナに侵攻するなんて、誰も想像もしていなかっただろう。現実でも、映画みたいな突拍子もないことが突如平気で起こるものなのだ。