早期リタイアをして自分らしい生き方をしたい。そのためにはお金と向き合うことが大切だ。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんは「お金の貯め方、使い方、増やし方のほかに、“賢くもらう”ことを心掛けてほしい」という――。

※本稿は、井戸美枝『お金がなくてもFIREできる』(日経プレミアシリーズ)の一部を再編集したものです。

早期退職:15年に取り消し線で、5年に丸
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返済不要の交付金制度を要チェック

あまり知られていませんが、国や地方自治体には、返済不要の交付金などの制度がたくさん用意されています。中には、ライトFIREの準備を進める際に有効活用できそうなものもあります。

たとえば、東京都港区は、「まなメニュー」という生涯学習講座が大変充実しています。語学やパソコン、歴史などの一般教養だけでなく、簿記や行政書士、宅地建物取引士、ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格取得に向けた準備講座も開催しています。お住まいの自治体にこうした制度があれば、キャリアアップに活用できます。

FIREで地方移住をお考えの方なら、見逃せないのが移住先の自治体の支援サービスです。栃木県では県外からの「UIJターン」就職を推進しており、東京23区在住者や在勤者が栃木県に移住し、県が運営するサイトに求人を出した企業に就職すると、移住支援金として世帯に100万円、単身者には60万円を支給してくれます。

自治体の補助金・助成金を見逃さない情報集手術

こうしたサービスや交付金も、元はと言えば私たちが納めた税金や社会保険料などです。

普段から各省庁や自治体のウェブサイト、広報誌などを定期的にチェックし、自分や家族に当てはまるものがあれば速やかに申請しましょう。スマホやタブレット用の無料アプリ「マチイロ」をインストールすれば、全国の自治体の広報紙を読むことができます。行政情報をこまめにチェックするには便利なアプリです。わからないことがある場合は、事前に市区町村などに問い合わせて確認しておくといいでしょう。

補助金の申請をする際には、必要になる書類がいくつかあります。

まずは、会社員なら源泉徴収票、フリーランスや確定申告が必要な会社員は確定申告書など収入を証明する書類です。納付関連の書類を求められることも多いので、保険料や固定資産税の納付書などはすべて残しておきましょう。

また、申請の際にはマイナンバーカードがあると便利です。早めにつくっておくことをお勧めします。