ひとつの話題は「15秒」でまとめる

手短に話すことも、わかりやすい話し方のポイントです。具体的には、ひとつの話題を15秒でまとめるように意識してみましょう。

15秒といえばCM1本分の長さ。練習さえすれば、誰でも15秒で相当な情報を伝えられるようになります。

わたしはこの15秒方式を、学生たちに徹底的に練習してもらいます。4人1組でストップウォッチを片手に、おすすめの本や趣味について話すのです。

例えば、各々が本を3冊決めて、最初の15秒でひとり目が話し、続いてふたり目、3人目と進んで、1分で全員が話します。これを3分間やると12冊分。1秒もずらさないように話すわけです。

最初のうちは、「えーと、内容が充実している本です」「あのー、結構勉強になります」などと、ほとんど意味のないことをいっているうちに15秒が終わり、まるで具体性に欠けた話になってしまいます。

また、本質的な意味を伝えようとして、かえって抽象的になる傾向もあります。大事なことをいおうとしているのに、なぜかぼんやりした言葉が出てきてしまう。「人生でいちばん大切なことを伝えている本です」といわれても、聞き手はその大切ななにかを知りたいので、「それは○○です」と、具体的に伝えなければなりません。

このとき、「ポイントを具体的に話す」ことを意識していくと、少しずつ無駄な言葉が省かれていき、端的かつ具体的に話を伝えられるようになっていきます。まず15秒でまとめて伝えて、もし話し足りなければ、のちに情報を加えていけばいいのです。

15秒方式に慣れると、密度が高いのにすっきりした話し方になります。

「ひとつの話題は15秒で手短にまとめる」と、ぜひ意識してみてください。

「えー」「あのー」「まあ」をなくして話にキレを出す

多くの人は、話すときに自分では意識しない言葉を発しているものです。話題にはまったく関係がない口癖をいつも口にしているのです。

これも、15秒方式を身につけるなかで改善する必要があるでしょう。

典型的なのは、「えー」や「えーっと」。

話の冒頭で「えー」をつけるのは、聞き手に「これから話がはじまりますよ」と注意をうながす面もありますが、たくさん使っていると、あまり聞き心地のいいものではありません。

注意したいのは、「えーっと」です。続く話がきちんとした内容でも、これを最初につけると、「考えがまとまっていない」印象を与えてしまいます。

ほかにも、「あのー」「まあ」など、つけるとマイナスの印象になる口癖をたくさん使っている場合があります。