普通基準の、余裕資金とは?

普通基準の余裕資金は、「目的の決まっていないお金」です。

この基準であれば、たとえ数十年先の老後資金であっても、「老後資金」との目的がある以上、それは余裕資金とはなりません。すなわち、何らかの目的のためのお金であれば、それは投資に回すことはないというスタンスとなります。この基準にて「投資は余裕資金で」を徹底すれば、たとえ投資で大失敗したとしても、人生設計の屋台骨が揺らぐことはないでしょう。

普通基準と言いながら、世間一般的にはかなり厳しめの基準かもしれませんが、慎重を期するのであれば、これくらいのスタンスでもよいかもしれません。

しかし私は、この普通基準での余裕資金であっても、それは余裕資金とは考えず、投資には回しません。

なぜなら、それなりにまとまった金額での投資となれば、失敗したときの損失額も大きく、それで人生設計の屋台骨が揺らぐことがないにしても、やはり心理的なダメージは避けられないからです。

実は、私もかつては、この普通基準の余裕資金で投資をしていた時期がありましたが、大きな損失が出たときには、しばらくは何も手につかないほど凹んでおりました。また、含み損が気になって仕方なく、さらには日々の値動きに一喜一憂し、投資額が増えるにつれ、投資を楽しむどころか、むしろ苦しんでもいました。

厳しい基準の、余裕資金とは?

厳しい基準の余裕資金は、「なくなっても気にならないお金」です。

この基準であれば、失敗しても心理的ダメージは少なく、また、日々の値動きに捉われることも少なく、悠然と構える余裕が出てくるでしょう。

なんといっても、「なくなっても気にならないお金」なのですから。

ただ、「なくなっても気にならないお金」などないよ、というのが正直なところだと思います。なのでここは、「もともとはなかったお金」と読み替えてもよいでしょう。

そして、この「もともとはなかったお金」は、自分の意思で生み出す(色付けする)ものです。

普通預金の10万円、定期預金の50万円など、今、自由になるお金があれば、それを「もともとはなかったお金」と、自分に思い込ませるのです。もしくは、「欲しい服をグッとこらえて3万円捻出」「今月は積極的に残業をこなして給料5万円アップ」など、能動的に「もともとはなかったお金」を生み出すこともできるはずです。

ちなみに私の場合、このサイトでの原稿ギャラは「もともとはなかったお金」として、投資に回しています。

私自身、これまで、余裕資金の基準には迷走しておりましたが、今では、この厳しい基準にたどり着き、ようやく、心から投資を楽しめるようになりました。