「手がかりを与える」足場かけで質問に答えやすくなる

単純に手がかりが不足していて答えが出せないケースも考えられます。

たとえば、前述した商品開発のチームミーティングにおいて、「この使われていない自社技術をどう活用しますか?」という質問に対して、マーケティング部門のメンバーがどんなに自分事で頭を使っても、技術のメカニズムについてある程度わかっていなければ、具体的なアイデアは提案しにくいかもしれません。

アジアのビジネスマンが会議でプレゼンテーションを行う
写真=iStock.com/kazuma seki
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質問の意図や背景は理解していながらも、知識・情報・技術が不足していて答えられない場合は、以下のように手がかりを与えてあげることが、一番の足場かけになります。

●他社の事例をいくつか紹介する
●考えの参考になるフレームワークを紹介する
●答えを出すために必要な技術を講習する
●参考になるデータを資料で配布する

事前に手がかりが不足する予想がついていれば、ミーティングのプロセスにあらかじめ話題提供の時間を組み込んでおくのもよいでしょう。

ミーティングのプログラムを工夫する

また、特定のメンバーだけ手がかりが不足している場合には、個別のケアが有効です。前述した例であれば、マーケティング部門のメンバーに技術に関する補足資料を当日提供したり、事前に配布して読み込んでくることを宿題にしたりなど、手がかりを補填した上でミーティングに臨めると、スムーズです。

あるいは、研究開発部門のメンバーとマーケティング部門のメンバーとで2人1組になってもらって、お互いの視点の不足をフォローしながら検討するように進行するなど、ミーティングのプログラムの工夫でも足場かけが可能です。