92歳のいまも、昨日より今日のほうが成長している実感がある

「今日頑張れたら、明日も頑張れる」と思えるもう一つの理由は、人はいくつになっても少しずつ成長できるからです。筋肉だって鍛えれば、何歳になっても成長できるそうです。

子どもは、お母さんのお腹にいるときから、日々スクスクと成長しています。生まれてお腹から出たあとも、成長はとまりません。寝返りが打てるようになり、ハイハイをしはじめ、やがてつかまり立ちして、自分の脚で立ち上がって歩きはじめるのです。

会社員としての成長も、同じようなことです。入社したてで何もわからないところから、日々経験を積み、スキルアップしていきます。赤ちゃんのような急成長ではないとしても、仕事の面では日一日と前進し、成長しているといっても過言ではありません。

私は92歳になるいまでも、昨日よりも今日、今日よりも明日のほうが、ちょっぴり成長しているという実感があります。

今日より明日は少しでも成長していると思うからこそ、「今日頑張れたら、明日も頑張れる」のです。

凡事徹底、なかでも掃除を重視

なんでもない平凡で当たり前のことを徹底的にやり遂げる――とても大切なことですが、地道なことだけに、なかなかできていない人が多いことでしょう。

当たり前のことを中途半端にやっても意味がありません。当たり前のことを徹底的にやるからこそ、意味があるのです。

一日や二日、当たり前のことを徹底したからといって、大きな変化は起こらないでしょう。でも、それを1年、2年と続けられれば、話は違ってきます。

「継続は力なり」というように、「積小為大」(日々の小さな努力が大きな成果につながる)で当たり前の積み重ねが、大きな違いを生むのです。

当たり前のことを徹底的にやる。これを「凡事徹底ぼんじてってい」といいます。

挨拶をする、決められた時間を守る、身だしなみを整える……。凡事徹底するべきことは、考えてみれば山ほど見つかります。

なかでも、大事にしたいのは、掃除です。

凡事徹底で重視すべきことは、一般的に「5S」と呼ばれています。

5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」という5つのSです。なかでも私が重視しているのが、清掃(掃除)なのです。

オフィスのデスクを拭く女性の手元
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