基礎学力の高さはイノベーションを起こす力の土台の一部

海外を見ても、ビル・ゲイツ氏やマーク・ザッカーバーグ氏はハーバード出身(中退)、特にシリコンバレーを擁するスタンフォード卒の起業家も多く、グーグル創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、ナイキ創業者のフィリップ・ナイト、ほかにもヒューレット・パッカード、サン・マイクロシステムズ、シスコシステムズ、ネットフリックスといった有名企業の創業者を輩出しています。

スペースX社やテスラを率い、2016年にフォーブス誌の世界で最も影響力のある人物ランキング21位に選出されたイーロン・マスク氏ですが、彼は名門ペンシルバニア大ウォートンスクールを経て(しかもスカラシップを獲得している)、スタンフォード大学院に進んだほどの学力をもっています(が、2日で中退したそうです)。

むろん海外ではエッセイや課外活動、面接などのウエートが高いので学力だけではありませんが、やはり基礎学力の高さはイノベーションを起こす力の土台の一部になっているとは言えそうです。

主体的に勉強してきた子がもつ力

ではなぜ高学歴と起業が両立するかというと、自ら主体的に勉強して進学する子は、下記の能力があまり勉強しない子よりも高い次元で獲得できるからではないでしょうか。

・進学しようという向上心やチャレンジ精神
・家から遠く離れてもチャンスをつかもうという自立心
・日常的に勉強に取り組む姿勢・集中力
・自らモチベーションを維持しあきらめず勉強を続ける精神力
・自分に合った勉強法を自分で考え工夫する創造力や応用力
・勉強方法を試行錯誤し必要に応じて都度変更し最適化させる柔軟性
・受験までの戦略を描く時間感覚やプランニング能力
・複数の科目を同時に勉強するバランス感覚や並行処理能力
・力を入れる範囲、手を抜く範囲を取捨選択する分析力や判断力
・点数や順位を上げたいという向学心

これはつまり、日頃の勉強や思考習慣を通じ、おそらく根源的な学習能力や思考力が高いレベルに育っているからであり、つまり高学歴は彼らの能力の副産物みたいなものなのかもしれません。

実際、高学歴者のほうが多方面に対応でき、やる気・気力もある印象があります。