優秀な経営者や起業家は学歴が高いことが多い

私自身、外資コンサルや起業した会社でも採用面接を経験しましたが、優秀な人はちょっと会話をすればわかるので、学歴を知らなくてもほぼ決まります。

外資コンサルのときはそれよりも、論理的思考力や思考の柔軟性、フェルミ推定などの抽象化思考力、そして組織風土とのフィットネス(一緒に働きたいと思えるかどうかなど)を重視していました。

その中で東大卒やハーバード大卒の応募者もいましたが、当然落ちる人もいました。

起業してからはあまりぜいたくは言えないので、むしろ主体性や積極性、ありていに言うと「やる気」を重視しました。かつて採用した従業員の学歴など誰も覚えていません。

ただ、起業してから出会った起業家・経営者で「この人は優秀だな」と思う人は、たいてい高学歴の人が多いので(あとでプロフィールを見て驚くという感じ)、学歴と能力はある程度比例関係にあるのだなと感じます(むろんそうではない人もいますが、一般的に)。

知人の経営者は、新卒採用では履歴書を見ず事前情報を何ももたずに丸腰で面接に臨むそうですが(先入観を避けるためだそうです)、「コイツ優秀だな」と思ってあとで聞くと実は高学歴だったということはよくあると話していました。

東京大学・安田講堂
写真=iStock.com/mizoula
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学歴の高さは可能性の高さなのか

こちらのプレジデントオンラインの記事によると、

2018年時点での東証マザーズ上場企業の経営者の出身大学1位は慶應義塾大学、続いて2位が早稲田大学、3位には一橋大学、関西学院大学、東京理科大学が、7位には青山学院大学や日本大学、明治大学がランクインしていたそうです。

あるいは経産省の発表によると大学発のベンチャー企業の企業数は東大がトップ、2位が京大、以下、阪大、筑波大、東北大と続きます(経済産業省「令和2年度産業技術調査(大学発ベンチャー実態等調査)調査結果概要」)。

さらに資金面でも、最⼤出資者は創業者が最も多く65.6%。取締役や従業員、創業者の家族・知⼈が最⼤出資者である場合と合わせると83.3%で、創業者自身が個人の資金を拠出して設立していることが読み取れます。一方、事業会社が最⼤出資者である企業は9.7%、VCは5.9%にすぎません。

高学歴、つまり基礎学力の高さは、「チャンスを手に入れられる素養」につながる可能性の高さを示唆しています。