来客が多い家は、お客さんの目線に合わせた掃除を
家を訪ねて来てくれる相手のことを思って、心地よい空間をつくりましょう。
玄関から入ってくる時に通る通路、室内の目線の高さにある物はきれいにしておきたいですね。立っている時と座っている時の目線、両方を意識してください。
例えば、ソファーに座ってもらうなら、ソファーの向かいに置いてある物のホコリを拭き取っておきます。
私の場合は、自分のマイナスの部分はあまり見せたくないので、散らかっている物を整えるほか、人に見られたくない物は、全部片づけておきます。
余談ですが、私は自分の大事にしている物は、ポンと置いておかないようにしています。子どもの時、お気に入りの物を部屋に置いておいたら、家に来た友だちが持って行ってしまったことがありました。
持って行かれなくても、人から「それが欲しい」と言われたら、「あげませんよ」と言えない時もあります。そのような状況を作らなければいいのかなと思うので、私は大事な物は、そっとしまっておきます。
急な来客もあるので、整理整頓と掃除は日ごろから気をつけておく必要があります。
においが一番隠せない
特に、においは隠せません。生ゴミは袋の口を閉めたり、ゴミ箱のふたを閉めるだけでなく、一枚紙を上にのせたり、工夫するのも大事です。トイレ、洗面台、浴室、キッチンのシンクや洗濯機の配管などの水まわりは、使っていなくてもにおいが出るので、小まめに水を流すようにしましょう。
においの発生源はそのほか、エアコンや吸排気口、下駄箱の靴、ペットや植木の土などたくさんありますが、出やすい所を押さえておけば一つずつ対処していくことは可能です。
1995年、日本空港技術サービス(現:日本空港テクノ)に入社。97年に最年少で全国ビルクリーニング技能競技会一位に輝く。以降、指導者としても活躍し、現在は羽田空港第一、第二、第三ターミナルの清掃の実技指導に加え、同社ただ1人の「環境マイスター」として、羽田空港全体の環境整備に貢献する。2018年には、羽田空港で培った清掃品質を家庭に届けたいという思いから、ハウスクリーニングの新規事業「ハウスクリーニング 思う心」を立ち上げる。著書に、『清掃はやさしさ』(ポプラ社)、『世界一清潔な空港の清掃人』(朝日新聞出版)がある。