※本稿は、新津春子『1カ月に1回物を動かせば家はキレイになる』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。
掃除は“最低限”の道具が必要
掃除用具は家にあるものやもらったものを活用できますが、最低限の用具は揃える必要があります。
私の勤め先の若い社員の家に行くと、部屋の掃除に使うのはフローリングワイパーだけ。室内で犬も飼っていて、それではぜんそくになってしまいます。掃除機とホコリ取りは必要です。
掃除機があれば手早く、細かい粉塵まで吸い取れます。また、上部はホコリ取りで掃除しないと、どんどんホコリがたまってしまいます。
本人は「シンクは小まめに掃除しています」と言うのですが、シンクの表面はきれいでも、段差の部分が汚れていました。彼が使っている用具は、大きなヘッドのブラシ一本。汚れが残っている原因は、用具が揃っていないことにあります。
掃除はしていたけれど、その汚れも全部取ることは頭になく、指摘されて初めて気づいたそうです。
洗剤は性質次第で使いまわせる
洗剤の持ち合わせも少なく、食器用洗剤、ハンドソープ、クレンザーだけでしたが、洗剤は用途が違っても性質が同じなら使うことができます。
例えば料理の時、調理台に油が飛んだら、食器用洗剤で落とせます。油汚れは、アルカリ洗剤がなければ、食器用洗剤や洗濯用洗剤を使っても落とせます。
ある時、洗面器を洗うのにちょうどいい洗剤がなかったので、洗濯用の粉洗剤をまいてスポンジでこするとピカピカになりました。しかも、仕上がりはいいにおい。
洋服に使える安全なもので、皮脂などを落とす効果のある洗剤なのだから、顔を洗った時の油分など洗面器に付着した汚れにも使えますよね。
「1日2分でも3分でもいい」忙しい人の掃除法
仕事を中心に生活していて、時間がないという人が多いと思います。でも、生活していくためには掃除をする必要性も頭に入れないといけません。
では、何分だったら掃除できるでしょう。
「2~3分しか時間が取れません」
「いくつもの掃除はできません」
それでもOKです。
部屋の広さにもよりますが、毎日できなくても、1日おきでもいい。1週間に1回でもいいので、その人のペースで、とにかくやり続けることが大事です。
「時間がない」というのは、言い訳になってしまいます。
道具ばかり揃えがちな人は、掃除をしようという気持ちはあります。それで買ったけれど、結局できなかった。「時間がなくてできなかった」とみなさん言います。
時間がない人におすすめなのが、運動することも兼ねて掃除をしようという考え方。腕を伸ばしてストレッチしながら高いところのホコリを取ったり、歩いて移動しながら拭き作業をしたり。
やり方を工夫して、「運動の時間=掃除の時間」にしていくと、上手に時間が使えます。年配の人も、体を動かす習慣の一つとして、掃除をとらえてもらえるといいですね。
生活のしかたでゴミ箱の位置の見直しを
ゴミの回収日が頭に入っていなかったり、ゴミを出すタイミングが自分の生活リズムと合っていなかったりすると、家の中にゴミがたまってしまいます。
玄関の付近に、「燃えるゴミは○曜日」など、回収日を大きく書いて貼っておくと、家を出る時に確認できるので忘れずに済みます。わが家は、自治体から届く案内をそのままドアに貼って使っています。忘れ物注意のチェック表も作って貼ってありますよ。
いつでもゴミが出せる集積所のあるマンションなら、出かける時など、小まめに捨てるようにしましょう。
また、使っているゴミ箱のサイズが合っていないため、あふれたゴミをつい部屋のあちこちに置いてしまっている場合があるかもしれません。
ゴミ箱は、最初はどのくらいのサイズがいいのかわからないので、あえてすぐには買わず、家にあるダンボールやバケツなどに袋を被せてゴミ箱代わりにしながら、しばらく観察してみるのがおすすめです。
家の広さや生活のしかたに合わせて、どこにどのようなゴミ箱をいくつ置くのか決めていきます。わが家は全部の部屋に一つずつゴミ箱を置いています。
ゴミ箱は、必ず袋を用意し、被せて使いましょう。その時、袋の中に新聞紙を重ねておくと、途中でいっぱいになって袋が破れたりした時でも汚れが広がらずに済みます。
食べ物の容器など、汁気のあるものはざっと水で流し、生ゴミは要らない紙で包み、においを出さないようにします。におうと、虫やネズミが出やすいので注意してください。
ゴミを入れる時に、市販の消臭スプレーを一プッシュするのもいいですね。わが家はゴミ箱のフタの裏に重曹をつけてにおいを防いでいます。
来客が多い家は、お客さんの目線に合わせた掃除を
家を訪ねて来てくれる相手のことを思って、心地よい空間をつくりましょう。
玄関から入ってくる時に通る通路、室内の目線の高さにある物はきれいにしておきたいですね。立っている時と座っている時の目線、両方を意識してください。
例えば、ソファーに座ってもらうなら、ソファーの向かいに置いてある物のホコリを拭き取っておきます。
私の場合は、自分のマイナスの部分はあまり見せたくないので、散らかっている物を整えるほか、人に見られたくない物は、全部片づけておきます。
余談ですが、私は自分の大事にしている物は、ポンと置いておかないようにしています。子どもの時、お気に入りの物を部屋に置いておいたら、家に来た友だちが持って行ってしまったことがありました。
持って行かれなくても、人から「それが欲しい」と言われたら、「あげませんよ」と言えない時もあります。そのような状況を作らなければいいのかなと思うので、私は大事な物は、そっとしまっておきます。
急な来客もあるので、整理整頓と掃除は日ごろから気をつけておく必要があります。
においが一番隠せない
特に、においは隠せません。生ゴミは袋の口を閉めたり、ゴミ箱のふたを閉めるだけでなく、一枚紙を上にのせたり、工夫するのも大事です。トイレ、洗面台、浴室、キッチンのシンクや洗濯機の配管などの水まわりは、使っていなくてもにおいが出るので、小まめに水を流すようにしましょう。
においの発生源はそのほか、エアコンや吸排気口、下駄箱の靴、ペットや植木の土などたくさんありますが、出やすい所を押さえておけば一つずつ対処していくことは可能です。