“ものすごい成功”ではなく、できることをやればいい

「自分の仕事に自信がない」という人もよくいますが、それも、何か奇跡的な成功を頭で妄想しているせいです。「そこそこでいいんじゃないか」と思えないから、結局何もできなくなってしまうのです。

ですから、我々は自分に悔いがないように、できることをすればいいのです。

実現できるかどうかわからない目標ではなくて、目の前の仕事を大切にしてください。

もちろん、結果は自分だけで決まるものではありません。が、どんな結果になっても「自分は精一杯やった」と心から言える、そんな状態を目指すといいのです。

成功と失敗の分かれ道に立つ道路標識
写真=iStock.com/Maria Vonotna
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自信がありすぎるバカ者は病気

仏教の立場から言えば、自信がありすぎてなんにでも手を出す状態は、病気です。

でも社会の人はそう言いません。うつ病とか対人関係に自信がないとか、人に会うと心臓がドキドキするとか、そういうものは精神的な病気として見るのに、自信がありすぎるバカ者のことは、誰も病気だとは言わないのです。

むしろ、活発だとかやり手だとか言ってほめますね。それが世の中の心理治療の世界なのです。

仏教的に考えれば、どちらも危険な道で病気に変わりはありません。「あなたはこの病気の代わりにこっちの病気になりなさい」と言っているのと同じことです。

「ガンが怖い」と言う人に「じゃあ代わりに高血圧と心臓の病気になりなさい」と勧めているようなものです。でも、高血圧や心臓病でガンより早く死ぬこともありますからね。そう考えると、現代の心理治療はずいぶんいい加減なのです。