自分の向上を評価できるマークをつくる

わたしにとって勉強は、ある程度強制的な要素によって、課題(目的)が設定されているものです。そのゴールに向かっていく手段(過程)が、勉強というわけです。

「自分のための学び」は少しちがいますが、勉強はゴールがかなり明確で、また、たいていの場合ゴールにたどり着けば報酬が用意されています。

「その過程の勉強が苦しいんだけど……」という人もいるでしょう。

苦しい過程をやり抜くポイントは、少しでも自分の向上を見つけ出すことです。そのため、ぜひ「自分は前へ進んでいる」と評価できるマーキングをしてみてください。

齋藤孝・中野信子・山口真由『人生の武器になる 「超」勉強力』(プレジデント社)
齋藤孝・中野信子・山口真由『人生の武器になる 「超」勉強力』(プレジデント社)

わたしの場合は、書き続けて減ったボールペンやメモパッド、また指にできたペンだこなど、物理的に勉強量がわかるものを見ると「前へ進んでいる実感」を持てます。

やり方は人それぞれですが、努力の過程をうまく「見える化」すれば、進んでいる実感が得られ、その達成感はさらに進んでいくモチベーションになります。

一方、論文に取り組むときは、「つまらなくてもいいから1日5ページ書く」と決めています。論文を書く作業は、質にこだわると時間がかかりがちで、「自分は前へ進んでいない……」と自己嫌悪に陥る場合が多いです。向上している実感を得るために、わたしの場合は量を基準としています。とにかく文字を積み重ねていくわけです。

このように自分の向上を評価できるマークをうまく設定できれば、勉強や学びはきっと楽になっていくと思います。

【関連記事】
「円周率とは何か」と聞かれて「3.14です」は大間違いである
「偏差値28、小6秋から中学受験」塾に通わなくても志望校合格を果たした超短期勉強法
堀江貴文「コロナ禍に資格の勉強を始める人が見落としている根本的な間違い」
「時計もカレンダーも読めない」プロ家庭教師が嘆く学力低下の衝撃
「東大に合格できたのはゲームのおかげ」東大生がそう断言するまんざらでもない理由