閉店に立ち会って感じたこと

SV時代に5店舗、閉店作業に立ち会ったのも得難い経験でした。テナント契約の終了や赤字など閉店の理由は様々ですが、それぞれ長い歴史があって地元で愛されたお店です。

最終日には多くの常連さんが感謝を伝えに来店してくださいました。入社してまだ間もない私も、皆さんの愛を強く感じ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。店舗の後片付けが終わった後は、がらんどうになったお店を見渡して、皆で涙ぐんでしまいました。

スタッフも長く携わっている人が多くて。そういう人たちに、申し訳ない、悲しい思いをさせてしまったという不甲斐なさも痛感しました。

いつの日かスタッフの皆さんに「私、ドムドムハンバーガーで働いていたのよ」と誇りを持って言ってもらえるように、良い店づくりをして、ブランドを育てていきたいと自分に誓いました。

あまりの赤字額に耳を疑う

SVになって1カ月ほどたった頃でしょうか、3月の決算についての情報が私の耳にも入ってきました。私は平社員でしたので、決算の時点では何も知らされていなかったのです。あまりのマイナス額に「えっ?」と耳を疑いました。

私は自分が店舗経営をしていたので、商売においては常に経営者目線になります。数字の意味がわかります。耳に入った数字が予想を大きく超える桁数のマイナスだったのです。

聞いた瞬間「これはダメだ」と思いました。先行きがまるで見えません。

私はドムドムハンバーガーに入社するにあたって、退路を断ってきた人間です。

経営していた居酒屋『そらき』ではたくさんの常連さんに「頑張って」と送り出していただきました。お客様に「来て! 来て!」と声をかけておきながら、来てくれた方たちに「じゃあね。私は次の仕事に行きますね」と自分のわがままで去りました。にもかかわらず、本当にあたたかい労いと応援の言葉をいただいて、今の会社に来たのです。もし戻るようなことになったら、その方たちに顔向けできません。順調に店を運営するのりちゃんにも「のびのびやっているから、もう二度と帰らないでくださいね(笑)」と冗談交じりで言われています。「独り立ちしなさい」と言ったからには、戻れません。