男子もライト&メイクで印象アップ

【池谷】僕もライトは当てていますね。あと、男子では珍しいかもしれないけど、簡単なメイクもします。Zoom面接だし、少しでも自分をよく見せた方がいいと思って、志望度が高い企業の時は必ず眉を描いて赤いリップをつけています。実際、面接官から「第一印象が明るいね」って言われたので、ウケはいいみたいです。

【山岸】私は野球場でビールの売り子のバイトをしていたので、その時にもらった賞状を後ろに飾っていました。オンライン面接って30分ぐらいと短いんですが、その中で少しでも自分の持ちネタを見せてアピールしたいから。面接官の中には、「私も野球好きなんですよ」って乗ってきてくれる方もいました。あとガクチカも、「力を入れた→挫折した→這い上がった」の点を語ったほうがアピールできるかなと思って、1分以内で話せるように事前にエピソードを整理しておきました。

【原田】背景や第一印象、話す内容など、それぞれ工夫しているようですね。背景は、その人の素顔やプライベートを感じることができるから、人柄を見極めたい面接官にとってもプラスになりそうだなと思いました。池谷くんの「メイクZoom面接」も、普段はバリバリの体育会系なのに、意外なところに気を配っているのが面白かった。山岸さん以外はこれからも就活を続けるということなので、オンライン就活ならではのメリットを生かしながら、納得のいく企業選びをしてほしいと思います。

構成=辻村洋子

原田 曜平(はらだ・ようへい)
マーケティングアナリスト、芝浦工業大学教授

1977年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーを経て、現在はマーケティングアナリスト。2022年より芝浦工業大学教授に就任。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。主な著作に『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)、『パリピ経済 パーティーピープルが経済を動かす』(新潮新書)、『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)、『寡欲都市TOKYO』(角川新書)、『Z世代に学ぶ超バズテク図鑑』(PHP研究所)などがある。