3.集中しているフリ作戦
何かに集中している人は「邪魔しちゃいけないかな」と感じさせられ、近寄りがたいものですね。その作用を活用するのが、この作戦です。
まず、職場だったら手元の書類、プライベートだったらスマートフォンなど、何でもいいので、とにかくそれらを見ながら、軽くため息をついたり、小さく首を傾げたり、少し舌打ちをしたりします。手元の書類の内容やメールのやり取りに対して怒っているかのような表情で。
こうするとあなたが醸し出す空気は威圧的になりますが、それだけだと、印象が悪くなりすぎるかもしれません。
「威圧感」と「優しさ」を瞬時に切り替える練習を
なので、その威圧的な表情から、ふと顔を上げ、相手と目が合ったら、一瞬ニコッと微笑みかけ、またすぐに目だけを手元に戻し、次第に表情も、元の「なかば怒っているような険しい顔」に戻す。こうすると、優しさと威圧感のバランスがとれ、「クールだが優しそうな人」という印象が作れます。人は一般に、このように「威圧感」と「優しさ」を、瞬時に切り分けられる人に知性を感じ、信頼する傾向にあります。
なので、普段から時々こういう、優しさと威圧感の滑らかな切り替えを、周りの人にちょこちょこ見せておくと、あなたは周りの人から、「『自分』というものがある、自立した人」という印象を持たれ、したがって「振り回しづらい人」という評価もされやすくなります。
そうなれば、今まであなたを振り回していた相手も、だんだんとあなたをその対象から外すしかなくなり、自ら距離をとるようになるでしょう。
難しい顔でスマートフォンを見つめたことは、誰にでもあると思いますので、そのときの自分を思い出しながら演じれば、それほど難しい作戦ではないはずです。
1976年生まれ。典型的なモラルハラスメントの関係にある両親の元に生まれ、幼少期を過ごす。その経験を通して、モラルハラスメントをする人、される人の心理を知り、その後徐々に、周囲の同様の環境にある人たちに、モラハラ対処のアドバイスをするようになる。現在は、世の中の離婚できない事情のあるモラハラ被害者を対象に、モラルハラスメントの被害を受けないためのメソッドを伝えるため、「離婚しないモラハラ対策カウンセラー」として、個人カウンセリングや各地での講演等の活動をしている。著書に『離れたくても離れられないあの人からの「攻撃」がなくなる本』(SBクリエイティブ)。