2.声ではなく「目」で応答作戦
たとえば、難しい顔をしながら集中しているときに、ふと誰かに呼びかけられた場合、そこで「はいはい?」などと声を出して俊敏に反応すると、それまで漂っていた威圧「感」が消えてしまうかもしれませんね。
なのでそういうときは、「声は発さず、目線だけで応答する」というのをやってみましょう。口は閉じたまま顔を上げて相手と目を合わせ、眉毛をキュッと上げてニコッとする。最後まで口は閉じたまま。ビッグスマイルではなく、あくまでも「ニコッ」です。
つまり、声ではなく目つきで「(何か用ですか?)」と問いかけるということです。こうするだけで、相手に対して「クールで魅力的な人」という印象を与えることができます。仮に本当のあなたが、実は暑苦しく落ち着きのない人であったとしても、その動きをすれば、誰でもその印象になります。この戦術は、誰かに呼びかけられたとき以外にも使えます。
たとえば、受け取るだけの書類(社内の回覧板など)や、不在中にかかってきた電話の伝言メモを誰かが持ってきてくれたとき。
声は発さず、口は閉じたまま顔を上げ、眉毛をキュッと上げて「ニコッ」――これは声ではなく目つきで伝える「(ありがとう)」になります。
この方法の最大のポイントは、ご覧のとおり、「声を発しない」ことです。
なぜ、これが効果的なのか。それは、無駄に声を発しない人からは、「自分の気持ちを分かって貰いたい」という過度な承認欲求が表現されず、「知的で主体性がある」=「自分をもっており、人の言いなりにならない単独者」という印象を与えるからです。
口数の多い人ほど「振り回され体質」に
人からの問いかけに、「はい、はい、ああ、そうですか、そうですか、はいはい、はい」などと無駄な音声を発してると、主体性も自信もないオドオドした印象を作り出し、人を振り回すタイプの人のセンサーに引っかかってしまいます。
おそらく、今まで振り回されてきた人の多くは、無意識のうちに、必要以上の音声を発してきているのではないでしょうか。
そうなっていると思われる人は、今後の言動を変える一手段として、時々こういう作戦を取り入れてみてください。
これをしていると、あなたの内面にも変化が起こります。声を出さずに目だけでコミュニケーションをとる、そんなへりくだりも媚びもしない姿勢で他者に接しているにもかかわらず、他者からはちゃんと好意的に受け入れられる自分、そんな自分の自己意識が、あなたの自信を作ります。
そしてその自信が、いっそう「主体性のある一個人」、つまり「単独者」としての存在感を作り出し、さらに振り回しにくいオーラが醸し出されるようになるわけです。