「ずっと反省している」彼女が頑張れるワケ

在宅勤務が長引くと、それぞれ一人で仕事していることへの不安も出てくる。他のメンバーの様子が見えないから、誤解が生じ不満の声が出ることも。20代の若い世代との感覚の違いもあり、試行錯誤の日々が続いているという。

「かつては部下と仲良くしたいとか、嫌われたくないという思いもありました。でも年齢が離れたせいか、今はそんなことはかまわないなと。メンバー一人ひとりにとって、いかに仕事しやすい環境にしてあげられるかということだけを考えるようになりました」

家庭では4歳と7歳の男の子たちの親として、子育てにも奮闘している杉浦さんだが、就業時間外にも仕事のことが頭から離れず、寝ても覚めても考えてしまうのだそうだ。あのときこう言えば良かった、もっとこうすれば良かったなどと「ずっと反省しているかも」と苦笑する。

実は子育ても反省ばかりと振り返ると杉浦さん。一人目のときはまるで余裕が無く、保育園任せで寂しい思いをさせていたのではと悔やむ。そこで下の子は幼稚園へ通わせることに決めた。毎日のお弁当作りや行事の準備などやるべきことは増えたが、子どもと向き合う時間を大切にできているように思うという。今では子どもの成長をじっくりと見守ることが、仕事を頑張る糧にもなっているようだ。

引っ越した先の未来も明るく

コロナ禍の影響で、組織づくりをはじめとするいくつかの課題を抱えている。それでも、杉浦さんは媒体「CHINTAI」のさらなる可能性を感じているそうだ。

「賃貸物件の探し方から引越しまでのサポートだけでなく、引っ越した先での未来も明るく、より豊かにできるような情報やサービスを提供できればと思っています」

在宅時間が増えたことで、家での暮らし方が見直されている今、杉浦さんは「CHINTAI」を通じてみんなの暮らしをより自分らしく豊かにしたいと願っていた。

歌代 幸子(うたしろ・ゆきこ)
ノンフィクションライター

1964年新潟県生まれ。学習院大学卒業後、出版社の編集者を経て、ノンフィクションライターに。スポーツ、人物ルポルタ―ジュ、事件取材など幅広く執筆活動を行っている。著書に、『音羽「お受験」殺人』、『精子提供―父親を知らない子どもたち』、『一冊の本をあなたに―3・11絵本プロジェクトいわての物語』、『慶應幼稚舎の流儀』、『100歳の秘訣』、『鏡の中のいわさきちひろ』など。