何かしらのリーダーを任されると、だれしも「ついていきたいと思われるようなリーダーになりたい」という感情は生まれるものだ。いま、企業を成長させる組織論を展開する識学の安藤広大さんは、「その感情こそが諸悪の根源だ」と警告する。“人間的な魅力”より、リーダーが大事にすべきものとは――。

※本稿は、安藤広大『リーダーの仮面――「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

オフィスで働くビジネスウーマン
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ブレないリーダーになるための自問自答

リーダーは、「葛藤」を抱えることがあると思います。

現場の部下のことを考える一方、上から数字の目標を言い渡される中間管理職だからです。そこで板挟みになってしまい、消耗していくリーダーが後を絶ちません。そんなときに考えてもらいたいのが、次の自問自答です。

「これって、利益相反を起こしていないか?」

つまり、個人と会社が「利益相反」を起こしていないかどうかだけを見るのです。個人が追求することで会社が利益を得るもの。それは、「成長」しかありません。個人が成長という「利益」を得ることができるのは、会社の成長に貢献できているからです。「成長」という利益を追い求める限り、会社と利益相反を起こさず、永遠に利益を得続けることが可能です。

一方、「仲間と楽しく働きたい」「充実した福利厚生がほしい」などの部下が求める利益は、ときに、会社と利益相反を起こします。会社と利益相反を起こす利益を与え続けることは不可能です。

そんなときこそ、「利益相反を起こしていないか?」を自らに問うてみるのです。仮面の内側で自分に聞いてみる。すると、いま、やるべきことがブレないはずです。

個人を蔑ろにしているわけではない

さて、ここまで、「組織の利益」について述べてきました。この話は、ヘタをすると大きな誤解を生みます。

「個人をないがしろにしている!」「そうやって組織が個人を潰していくんだ!」などと拒否反応を示されるおそれがあります。

「組織のために働いたことが、個人の利益につながっていく」だけです。初めてリーダーになるあなたが、考え方をアップデートすることを期待しています。