この4月から、70歳定年法がスタートします。雇用形態はさまざまですが、職場にシニア人材が増えてくることは確実。彼らをメンバーとしてマネジメントしていく機会も増えます。もちろん、頼りになるシニアも多いのですが、中には少し面倒なタイプも。心理学者の内藤誼人さんが、とくに面倒な2つのタイプについて対応策を教えてくれます――。
オフィスで声を荒らげるシニア男性
写真=iStock.com/metamorworks
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古いやり方に固執するシニア部下

2021年4月から、70歳定年法がスタートすることになり、これからは自分よりもずっと年上の男性を部下に持たなければならない人もますます増えることでしょう。ここで非常に厄介な問題が浮上します。

年上の、しかも中途半端に成功体験などを持っている男性は、なかなか言うことを聞いてくれないのです。とくに女性管理職の場合は、年齢に加えて性別による難しさを感じることもあるでしょう。

「女の言うことなんて、聞けるか!」
「若造の言うことなんて、聞けるか!」

そういう態度をあからさまにとってくることもあると思います。

年配者の中には、自分の過去の成功体験にしがみつき、時代にそぐわないような古臭いやり方に固執する人も多くいます。「俺には、俺の仕事のやり方があるんだ!」と鼻息を荒くして、上司であるあなたの言うことにも素直に従ってくれないことは十二分に考えられます。

「一回だけ、私のやり方を試してもらえませんか?」

では、こういう年配のオジサマたちを部下に抱えることになってしまったら、いったいどのような対応をすればよいのでしょうか。

一番気を付けなければいけないのは、メンツを潰さないようにすること。そこに気を配りながら、自分のやり方を「提案」していくのがいいでしょう。「押しつけ」るのではありません。あくまでも「提案」です。

「○○さんのやり方もいいんですけど、一回だけ、私のやり方を試してもらえませんか?」
「なるほど、○○さんのやり方もいいですね。ですが、しばらくは違うやり方をとってもらってもかまいませんか?」

このように、あくまで「提案」という体裁をとりながら、さりげなく自分のやり方を勧めていきましょう。