とにかくデカさ勝負「インパクト映え」

6つめは、従来のインスタ映えの上を行く「インパクト映え」。若者の間では、他の人の写真と差別化を図りたいというニーズから、とにかくサイズが大きい食べ物や飲み物を載せるのが流行り始めています。

代表的なのは、巨大なグラスを使った「出世サワー」や、金魚鉢にお酒を入れた「金魚鉢サワー」。若者がよく行く居酒屋のメニューのひとつです。今の若者はあまりお酒が飲めないはずなのに……と不思議に思って聞いてみたら、「飲みに行くんじゃない、撮りに行くんだ」と言われて唖然としました(笑)。

巨大な唐揚げ「炎旨大鶏排(エンシダージーパイ)」は、顔と一緒に撮ると小顔効果もあるそうです。結局、こちらもゴールはインスタ映え。従来のかわいさやカッコよさではなく「デカさ」で自分をアピールする傾向は、当面続いていくと思います。

秘密なのにシェアしたい「オープンシークレット」

7つめは、SNSの新たなトレンドである「オープンシークレット」です。今、若者の間では、自分のスケジュールやダイエット状況など、普通は秘密にしておきたいことをあえてシェアする傾向が強まっています。とは言っても、シェアする相手は自分が選んだ人だけ。

普通にSNSに投稿するとフォロワー全員に見られてしまうので、専用のアプリを使って特定の相手とだけ情報をシェアするわけです。秘密にしたいなら誰にも言わなきゃいいだけなのにと思いますが、それでもシェアしたいのがZ世代。自意識過剰の表れとも言えるでしょう。実際、スケジュールをシェアするアプリ「TimeTree」は、すでに多くの若者が使っているようです。

とても面倒くさい自己PR「逆自慢」

8つめは、プリクラ投稿やTikTok投稿に見られるトレンド「逆自慢」です。これは、他者と差別化を図るため、あえて本音と逆のことをするというもの。友人とのプリクラに「不仲です」、素顔の写真に「無加工注意」、豪華なローストビーフの写真に「貧乏学生」などというワードを添え、「いやいや仲いいでしょ」「無加工のほうがかわいい」「貧乏じゃないでしょ」といったツッコミのコメントを狙うわけです。

大人から見れば面倒くさい自己PRでしかありませんが、若者にとっては自己承認欲求を満たす手段のひとつ。この手法を使う若者は、これからますます増えていくと思います。