日本学術会議が「同意のない性行為は犯罪とすべきだ」という提言を出した。「同意のある性行為」をするためにはどうすればいいのか。弁護士の伊藤和子さんは「性行為の初めだけではなく、段階ごとに意向を確認しあうことが必要だ。そうした確認のできない相手との性行為には根本的な疑問がある」という――。
思わぬ刑事訴追は誘う側の意識改革で防止できる
内閣府の調査では、無理やり性交をされた経験のある人は、約20人に1人、そのうち女性は約13人に1人が無理やりに性交等された経験があると回答しています。そのうち警察に相談に行くのは約4%にすぎません。性犯罪が報道されるのは氷山の一角にすぎず、社会には広く無理やり性交をするという被害が広がっていることになります。
そうすると、「性行為で後から訴えられない」ためにどうしたらいいか心配しているあなたは、「無理やり性行為」をしていないだろうか、とわが身を振り返ってほしいと思います。
確信犯で「無理やり性行為」をしている方もいるかもしれませんが、自分は意図しないけれど相手からみれば意に反する性行為であった、ということもあるかもしれません。そうした可能性をひとつひとつ摘み取って、相手の意に反する性行為をしない、ということが最大の防衛策になるでしょう。
思わぬ刑事訴追を受けないためには、性行為を誘う側、したい側の根本的な意識改革と行動変容が求められます。