男性国家公務員の平均予定日数は43日

じつは民間企業に先立って国家公務員の男性に育休取得を促す取り組みが、今年(2020年)の4月から始まっている。中身は合計1カ月以上、なるべく1年以内かつ出生後8週間以内にまとめて取得することを上司が勧める。面談で取得希望を把握し、取得計画書を作成するが、計画の作成などは上司の人事評価に反映される。

内閣人事局によると今年(2020年)4~6月に子どもが生まれた男性職員3035人のうち、85%が1カ月以上の育休を予定しているが、平均予定日数は43日という。もちろん国家公務員の取り組みを先に実施したのは、民間企業の男性の取得を促す狙いがある。

窓の外を見つめるビジネスマン
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はたして法改正によって男性の育休取得は進むのか。育休を取りたい男性は少なくない。エン・ジャパンの「男性育休実態調査」(35歳以上、2019年9月10日発表)によると、「もしこれから子どもが生まれるとしたら、育休を取得したいと思うか」との質問に「積極的に取得したい」41%、「できれば取得したい」45%で取得希望者が86%もいる。取得希望期間でも「1カ月~3カ月」が22%と最も多い。

男性の取得に無理解な職場が多い

にもかかわらず男性の育休取得を阻んでいるものは何か。労働組合の中央組織である連合が同居している子どもがいる25~49歳の男性有職者の調査をしている(「男性の家事・育児参加に関する実態調査2019」2019年10月8日発表)。それによると、育児休業を取得しなかった理由として最も多かったのは「仕事の代替要員がいない」(47.3%)。次いで「収入が減る(所得保障が少ない)」(36.6%)、「男性が取得できる雰囲気が職場にない」(32.2%)、「仕事にブランクができる」(13.9%)と答えた人のほか「男性が取得するものではないと思う」と、保守的な男性も11.3%もいた(複数回答)。

また、実際に「取得したかったが、取得できなかった」人が30.2%もいた。その理由は「仕事の代替要員がいない」(63.6%)が最も多いが、「男性が取得できる雰囲気が職場にない」(46.4%)が2番目に多かった。つまり、取得したくても育休取得に無理解な職場が多いということだ。法律では男女に関係なく育児休業を取得できるのに、依然として男性の取得に無理解な管理職が存在する。