【4】社内で人脈を広げる力
味方は多いほうがいいが、考え方の違いや生理的な好悪、相性などがあり、人脈は出会いの機会をとらえて構築するしかない。コツは先に相手のために動くこと。また普段から味方にしたい人との接点を増やし、相手の意見を尊重、共感することで仲間意識を育てる。
順調に味方を増やすには効率がいい順番がある。まずは仕事に直接関係がある人。仕事に必要な同僚や上長、他部門の関係者などはいち早く味方にすることで仕事を進めやすくなり、味方効果が上がる。
さらに周辺の同期・同窓・同部門の人をハブに人脈を広げていく。いない場合は、懇談会や勉強会、親睦会などを利用する。会社の主要部門については、すでにある人脈の同期・同窓・同部門の人から関係を深めよう。いない場合もすでにある人脈から足掛かりをつくる努力を。
さらに狙いたいのが社内や社外の情報を多く持っている人、社内人脈が広い人、そして経営層とそれに準ずる上層部である。すでに立場がある人にメリットを感じてもらうのは難易度が高いが、仕事上の接点があれば、相手のニーズに応える努力をする。接点がない場合には、すでにある人脈から手繰り寄せるか、相手を調査して、興味を引きそうな勉強会の講師に招いたり、有益情報を提供するなど、アピールするチャンスを狙うしかない。
また意外な実力者にも注目する。社長や役員の同期・同窓・同部門の社員や、社歴が長い女性社員、秘書課の社員などは、一般社員が知らない社長や役員の情報を持っていたり、つながりを持っていたりすることがあるので、味方にしておきたい。
ずばりサポーターの数こそ政治力
どれだけ多くの人に支えてもらえるか、サポーターの数がその人の影響力の大きさに比例する。人脈づくりは日々の努力。
「一目置かれるためには人に負けないコア・コンピタンスを持つべきですが、組織で成功するにはそれだけでは不十分。上司や部下との信頼関係はもちろん、広く信用を築く必要があります。それにはまずギブ。相手が困っているときに手を差し伸べることで、有事に助け合える関係が築けます」(内永さん)。
こうした社内の人間関係に気を配ることは大事だ。しかし、多くの人が味方し、本気で応援する人物は単なる人気者ではないという。
「会社を通じて成し遂げたい使命があり、結果を出してこそ、立場を得ていくもの。人脈だけでは大成しません」(内永さん)