【3】部下から支持される力

働き方改革で時間の制約が大きくなった今、結果が出せるチームには何が必要なのだろうか。

働き方改革を勝ち抜く部下の育て方

働き方改革はワークライフバランスが取りやすくなるなど、子育てや介護といったライフイベントに左右されやすい働く女性にとっては追い風にもなりうる。半面、時間がないぶん効率が重視され、付加価値の高い新しい仕事に取り組むケースが増えるため、現場は重い負担を強いられる。そんな中で高いアウトプットを得るためには、やはり統率力が必要だ。効率重視で結果を出すためには、残念ながら部下の裁量に任せてゆっくり育てる余裕はない。必ず結果が出る最短コースで作戦を立て、部下を動かす力が求められる。全責任を負ったリーダーが作戦を立て、部下全員と戦略を共有して実践させ、チームで均質な仕事ができるように率いていく

さらにチームが一丸となって動くためには、リーダーとメンバーの間での丁寧なコミュニケーションが欠かせない。リーダーは仕事の方針と目標を段階ごとに細かく設定し、部下おのおのの裁量に任せず、報告、連絡、相談を徹底。仕事の完成イメージを共有しながら、全員が納得して戦略を遂行していけるように徹底的に面倒を見る。指示系統が一本化されることでスピードとクオリティーが確保されやすくなる。ダメ出しをするときも、戦略に対して何が問題なのかを具体的に指導することで、部下に良し悪しを判断する基準を明確に示し、軌道修正を容易にする。

また実務上のルールも決めておくほうがいい。部下が判断する際には、ルールに立ち戻り遵守するように取り決める。見えるところに貼り出したり、マニュアルにまとめたりし、報告書の書き方でもルールどおりに統一することで、日常業務での訂正や修正が少なくなる。最も重要なのは自分たちが「何のために仕事をし」「誰に寄与するのか」という思想を明確に共有することだ。全員で目的を掲げて仕事をすることで、結果が出せるチームに育っていくはずだ。

部下を好きになることも上司の仕事

女性が初めて管理職になったとき、年上の男性部下をけん制したり、意気込みのあまり、負けまいと張り合ったり、身構えてしまうことがある。いい意見なのに取り上げなかったり、提案のアラ探しをしたり、相手を認める余裕がない。悪意はなくても、キツイ対応がすぎると、実力がある上司であっても、部下は息苦しい。

「仕事は1人ではできないし、何より組織で何かをするためには味方の数が大事です。上司の方針に理解を示し、間違いを正してくれるような部下を持つことは強みでしかないですよ」(内永さん)

少数の部下とうまくやれなければ、大きな組織の長は任されないし、大きな事業を成し遂げることも難しくなる。もちろん、仕事で意見が対立したり、上司として言うべきことはあったりするだろうが、同じ意見でも言う側の対応次第で受け取り方が変わる。「部下を持ったなら、まずその人を好きになること。いいところを探し、『この人が好きだ』と3回心の中で唱えると、不思議と笑顔で接することができるようになります」(内永さん)