労働時間よりもパフォーマンスが重視される中、結果だけでなく結果にいたるプロセスをより精査する目標管理方法「OKR」に注目が集まっています。Googleやメルカリも取り入れているというこの方法、いったいどんなメリットがあるのでしょうか。「MBO」とは、どう違うのでしょうか。人事に詳しいWorks Human Intelligenceの伊藤秀也さんが解説します。
メモ帳に目標を書く
※写真はイメージです(写真=iStock.com/SDI Productions)

達成率6、7割の目標を設定することが重要

「OKR」が注目されたのは、数年前から。もともとインテルが始めて、シリコンバレーで成功した企業が採用しているということで、話題になりました。Googleやメルカリでも取り入れていることが知られています。

OKRとは、Objectives and Key Resultのこと。単語としては「O」(Objectives=目標設定)と「KR」(Key Results=主要な成果)に分かれています。心躍るような、追いかけたくなるような「O」という目標を立て、その目標に一致する指標を「KR」として設定していきます。OKRの特徴は、次の4つです。

①目標設定が組織から個人に紐づいている

Googleもメルカリもそうですが、まず会社全体のOKRがあり、その下の事業部門のOKR、さらに下のチームのOKR、最終的に個人のOKRまでブレークダウンされます。

②達成度は6、7割でOK

達成度が100%にならない目標を立てるのがコツ。目標は具体的で誰もが理解できて、客観的である。ゴールは達成すれば価値のある、ストレッチしたゴール。本当はこのゴールに達成できればいいけど、6、7割できていれば経営的には問題ない、というものを設定します。

③評価のスパンが短い

期初に目標を設定し、1カ月に一度、あるいは四半期に一度といった短期間でのフィードバックループをまわします。具体的には1on1などを通して、どのぐらい達成したか、前向きに動けているかというプロセスを確認します。

④透明性が高い

各部署、各人のOKRが全社員にオープンにされるのもポイント。高い透明性で運用されるため、どこの誰が何を目指しているのか、ジョブディスクリプションが明確です。これを定期的に評価するとともに、そのつど変化に対応していくことが可能になります。