【2】上司を味方につける力

社内で最も頼もしい味方が上司だ。うるさい存在かもしれないが、個人的な好悪は脇に置いておき、少なくとも嫌われないように努力しよう。特に直属の上司の持つ権限はそのまま自分の戦力として考えることができるし、味方が必要なときに最も頼りになる有益な存在だと考えよう。味方になってもらうためには、日ごろから対立を避け、良好な関係を築き、同盟関係を保っておかなくてはならない。

上司に嫌われない行動パターン

まず排除したいのが「上司に嫌われる行動」。最も上司が嫌うのは、自分の仕事を阻害する、成功の邪魔になる部下の行動。そこで表をチェックして自分にあてはまる「嫌われる行動」を改善しよう。ネガティブ要素が少ない部下は信頼がおけるので、評価が上がる。

好感を得たところで次は、上司が望むような情報や専門的な知見、社内外の人材など「行動のインセンティブ(動機づけ)」を提供すること。業務はもちろんだが、多方面で上司をサポートする姿勢は信用を高め、良好な関係性の維持に効果がある。

上司の典型4タイプ

もう1つはコミュニケーションの方法だ。企画をとおしたいとき、あるいは情報を提供するときも、上司によってアプローチを工夫する必要がある。性格、仕事の能力、積極的か保守的か、価値判断の傾向、好悪をじっくり観察して図のように4つに分類してみよう。もちろん上司のタイプはこの4つだけではないが、いったんラフな類型を頭に置いて、対応を変えてみることはムダではないはず。例えば、「仕事の能力が高い×積極的」な上司には自身で判断できるように専門知識や判断しうる情報を提供する、一方で「仕事の能力が低い×積極的」な上司は部下頼みで判断が苦手なので、最良の提案をするなど、対応を変える。

ダメ上司につくと、キャリアアップのチャンス

ダメ上司につくと、キャリアアップのチャンス

仕事ができない上司にイラ立つ部下は多いだろう。「ダメな上司についたらチャンスです。上司の権限を使って責任を取らずに大きな仕事を経験できるなんてラッキーだと喜びましょう」(前出の内永さん)

特に判断力がない上司に話を持っていく場合「どうしましょう」ではダメ。事前に選択肢を用意して、良い面と悪い面の両方を伝え、そのうえで自分の推す提案を示し、具体的な方法やリスクと対応策を提示する手順で上司に最終決断を促そう。どんな提案でも責任を取るのは上司、どんどん承認をもらい仕事の幅を広げよう。ダメ上司の利用価値はほかにも。仕事ができない人が昇進している陰にはすごい人脈がある可能性が。将来、強い味方になってくれるかも。