女性らしい社内政治の使い方とは?

高度成長期に女性管理職として活躍、実績を積み上げ、結果を出してきた大先輩・内永ゆか子さんに、女性が会社組織で成功するために覚えておきたい心得を伺った。

管理職に立候補する人々

リーダーの視座を得れば、昇進したくなる

今の働き盛りの女性たちに言いたいのは「チャンスが来ているのにもったいない」のひと言。政府が掲げる指導的地位の女性割合「ニイマルサンマル(2020年までに30%)」という目標のおかげで確実に潮目が変わってきているのに、手を挙げない。多くの人が誰かが背中を押してくれるのを待っている。会社は男性の機会を削って管理職を女性に振っているのに、説得しないと昇進したがらないなんて、上司からしたらうっとうしいばかりですよ。

後ろ向きになる原因のひとつは情報不足です。J-Winが行った女性管理職322人に聞いた調査(※1)では、昇進前は半数以上が「抵抗感があった」と考えていましたが、昇進後は約9割が「よかった」と回答しています。若い頃から組織の仕組みを教育され、先輩の背中を追う男性に比べ、女性は学ぶ機会が少なく、昇進の意義を知らずにいる場合が多い。

※1 NPO法人J-Win「管理職登用に関する意識調査」によると、322人の女性管理職のうち、昇進前に53%が「抵抗感があった」と回答、昇進後は88%が「よかった」と回答。

まずは周囲にいる評価が高い人の行動を観察し、リーダーの何たるかを学んでみることです。上にいけば会社の金看板を背負って、予算と部下の働く力を使い、自分の裁量で仕事ができるという醍醐味だいごみを知れば、昇進に無関心ではなくなるはず。組織を学び、理解すれば、手を挙げて、昇進していく女性がもっと増えると思います。

仕事の実力4割、社内政治が3割。残りは人脈

管理職候補になるには、もちろん仕事ができることが大前提です。リーダーは本業の「強み」がないと長続きしません。自分が会社で何をしたいのか、会社を使ってどう社会に貢献できるのかを常に考えることが重要です。

そして社内政治に意識を向けること。「組織オンチ」だと思われないよう、特に女性は「正義感」に要注意。組織の是非は善悪ではなく戦略によることを忘れず、上司の命令が理不尽でも正義の鉄拳はしまっておく。結果責任は上司にあるのですから、ひとまず言われたように動くのが正解です。さらにそれがどういう状況判断だったのか分析し、理解できれば、働き方が変わります。組織で高く評価されるのは、戦略的視点で動ける人間です。