魅力は「スキルアップやネットワーク作り」
2005年に団体を立ち上げて、最初の数年間は、プロボノワーカーの男女比は女性6、男性4の比率で女性の方が多数でした。ところが、2010年の「プロボノ元年」あたりを境にこれが逆転し、以来男性6、女性4になりました。最近は女性の参加者が増えてきているので、今は男性5.5、女性4.5くらいの比率になっています。
また、当初は男女とも、20代後半から30代までが大半だったのですが、ここ4、5年、特に2018年以降は40代、50代の参加者が増えています。「ライフシフト」「人生100年時代」などと言われますが、仕事中心生活の後を考え始め「会社以外の世界に一歩踏み出したい」と思った方が、プロボノに注目するようになったのではないかと思います。
プロボノワーカーの本業は、IT企業、銀行、証券会社などの金融機関、広告会社、イベント会社、調査会社、流通関係、新聞社、行政機関の職員など、極めて幅広い業種、職種にわたっています。大企業から中小企業の会社員、フリーランスのマーケッターやデザイナー、ライターもいます。こうした幅の広さがプロボノ活動の一つの魅力となっていると思います。
意外にみなさん、それほど社会貢献に熱く燃えているという感じでもないんです。もちろん、そういう気持ちがゼロではこの活動はできませんが、それに加えて「自分のスキルや経験を社外で生かしたい」「自分の力が社外でどれくらい通用するか試したい」「社外の人たちと一緒に新しい取り組みにチャレンジしてみたい」という動機が参加にあたっての大きな後押しになっている人が多い。スキルアップや、普段知り合えないような業種・業界の人たちの人脈、ネットワークづくりに魅力を感じている人も多いですね。
プロボノでリーダーシップを磨くチャレンジを
実は今、女性のプロジェクトマネジャーを大募集しています。プロジェクトマネジャーは、スケジュールを管理しながらプロジェクトを円滑に進行させるチームリーダーです。先ほど、プロボノワーカーの男女比は6:4くらいだと言いましたが、プロジェクトマネジャーや、プロジェクトを統括するアカウントディレクターといったマネジメント系の職種になると、この比率が8:2くらいになり、圧倒的に男性が多くなってしまうんです。
会社のプロジェクトと異なり、プロボノのプロジェクトは、異なるバックグランドを持つ人たちが集まる、とてもフラットな関係性の中で進んでいきます。「黙ってオレに付いてこい」的なトップダウン型のリーダーには、誰も付いてきてくれないことが多い。参加しているメンバーのモチベーションのちょっとした変化に気付いたり、対話しながら一つひとつ言葉で説明しながら進めるなど、丁寧なコミュニケーションがとれるリーダーシップが求められています。これらは比較的得意とされる女性も多いですし、今の職場でも求められることが増えているスキルなので、仕事にも役立つ経験になるはずです。
肩書に「マネジャー」と付いていなくても、普段の業務でチームリーダー的な仕事を任された経験がある人ならば、十分できると思います。サービスグラントのプロジェクトは1カ月から半年と期間が明確です。「ちょっと自信がない」と遠慮している人こそ、プロボノでぜひチャレンジしてほしいと思います。