大ヒットのオンラインゲームに学ぶ「ゆるさ」

ゆるさをプラスすると予想外の発見や展開がどんどん生まれてきます。

少し話を大きくしてみましょう。

突然ですが、みなさんはゲームをしますか?

・どうぶつの森シリーズ
・荒野行動
・フォートナイト
・マインクラフト

ここで挙げた4つは、世界中で何億人ものユーザーがいて大人気になっているオンラインゲームです。

共通点は、ほどよい「ゆるさ」がプラスされているということです。

『どうぶつの森シリーズ』は、かわいい架空のキャラクターになりきって自分の村や島をどんどん自分好みにつくりあげていくというゲームです。

自分の村の美化を頑張ってもいいし、自分のキャラクターをおしゃれにすることにひたすら注力してもいい。そんな自由なゆるさがウケています。

新型コロナによる自粛期間では、最新作『あつまれ動物の森』の中で友人同士お花見をしたり、ゲームの中で集まってホームパーティーをしたりという様々な楽しみ方がされていたようです。

これといった目的がないゆるい世界観ゆえに、想定外の交流が生まれているよい例と言えるでしょう。

子供の遊び場はオンラインに移行し始めている

『マインクラフト』は仮想の世界で自由に建築をしたり、冒険したりできるゲームです。

世界観が自由すぎるというか何が目的なのかわかりづらいがゆえに、プレイヤーは友人つながりやネット情報を駆使して様々な発見をしています。

IT評論家の尾原和啓さんも「今の子供の砂場はマインクラフトなどのオンラインに移行してきている。そこで社交性を身につけている」と評していました。

実際に学校の教育現場でも『マインクラフト』が使われ始めており、プログラミング思考や、環境教育などの観点からも多くの国で支持されています。

自由なゆるさが多くの人を惹きつけ、多くの気づきを生んでいる好例です。

このように、オンラインの世界だからこそ起こりうるセレンディピティは、アフターコロナの世界での新たな潮流になっていくのかもしれません。

写真=iStock.com

林 勝明(はやし・かつあき)
セレンディピティコンサルタント・ZAS株式会社代表

2007年、Googleに入社し、大手企業との事業提携や新規事業の立ち上げに数多く携わる。六本木ヒルズの大人の部活動「ヒルズブ!」創設メンバー。2018年、Googleを退職し、ZAS株式会社を起業。「セレンディピティ(=偶然の素敵なつながり)で人生を豊かに」をテーマに企業コンサルティング、コミュニティの企画・運営などの事業を展開中。年間100以上の企画やサポートを行いつつ、立ち上げたコミュニティ活動から多くの仕事や恋愛の縁が生まれ、時に「歩く縁結び神社」と呼ばれる。