※本稿は林勝明『人見知りでもセレンディピティ 身近な奇跡が爆増する20のルール』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
Google時代の恥ずかしい失敗
誰かと話をする時に「気づき」を邪魔するものがあります。それは先入観です。
私自身の恥ずかしい失敗例をひとつ紹介させてください。
私の前職はGoogleの正社員でしたが、同じチームには契約社員の方もいて、一緒に仕事をしています。
契約形態が違うので、たとえ同じような仕事をしている場合でも、契約社員は給与が異なったり、社内の権限の差もあります。
そんな環境下で、私はあたかも自分が序列として上の人間のような錯覚をしていたのです。
しかしある時、自分が主催しているサルサダンスの部活に遊びに来てくれた契約社員の方々と打ち解けて、プライベートな話をする機会がありました。
すると、博士課程で美術の研究をしていたり、地方で伝統工芸職人を目指していたり、地球を2周していたりなど、とんでもなく面白い経験をもった人ばかりで驚きました。
別に能力の差があって社内の雇用形態が違うわけではなく、単純に働くスタイルの違いというだけなのですが、自分の浅はかな先入観をとても恥じました。
それからは一緒に社外イベントを企画したり、旅行に出掛けたり、会社以外でも一緒にプロジェクトを立ち上げたりすることになったのです。
会社の立場での先入観のままでいたら、気づけない出会いでした。
みなさんも、年下だから、学生だから、外国人だから、などと勝手な先入観をもってしまったことはないでしょうか。
このように、知らず知らずにでも人を見下したり、偏見をもつことはセレンディピティの機会を自ら失います。
逆に目上の人だったりすると、変に遠慮や恐縮しすぎてしまい、せっかくの出会いがいい縁につながらないこともあるでしょう。