自己肯定感を下げる悪習慣1.「ないものねだり」をする

たとえば会社にいたら「もっと理解のある上司に恵まれていたら頑張れるのに」、同僚と比べて「あの人みたいに計画性をもって何か行動できたらいいのに」、友人を見て「私もあの人ぐらいもっとルックスがよかったらいいのに」……。

誰でも自分にないところを欲しがる=ないものねだりをすることはありますが、ないものばかりにフォーカスすると、その時点の自分自身を否定し、より自分を受け入れられなくなっていきます。

上記の例で言うと「上司に恵まれない」「計画性がなくて行動できない」「ルックスがよくない」自分にフォーカスして、それがない自分を責めてしまうということです。

これらは著しく自己肯定感を下げる行動。絶対にやめたほうがよいでしょう。

とくに自己肯定感の低い人が、ないものねだりをし始めると、無意識に自分の足りないところを探し、余計に自信をなくす、自信がないからまた探す、と負のループに陥ります。ですから、ないものねだりはやめて、今あるものに感謝することをこころがけましょう。自分はこのままでいいんだと思えば、自己肯定感も必ず上がっていきます。

自己肯定感を下げる悪習慣2.謙遜しすぎる

先ほどもお伝えしましたが、謙遜は日本人の美徳、あるいはマナーのようなところがあります。ただし、あまりに謙遜しすぎると、自己肯定感を下げる行為になります。

僕は産業医として、いろいろな企業の会議に参加しますが、そうすると前もって資料を印刷してくれたり、お茶の用意をしてくれたり、すごく気の利く人がいるんですね。そういう人に向かって、上司が「ありがとう」「気が利くね」と声をかけると、「いえいえ、それぐらいは」「そんなの誰でもできますから」と、わざわざへりくだって言う人がいます。そうやって謙遜しすぎるのは、自分の存在自体を卑下する行為になるので、おすすめできません。

上司にしてみれば、せっかくあたたかい言葉をかけても、「いえいえ……」と謙遜されると否定された気持ちになり、次から褒めにくくなります。そうすると、その人は誰からも褒められなくなり、周りからポジティブな評価を聞く機会が減ってしまう。それが進むと「誰からも評価されない」「自分は必要ない人間なんだ」という考えにまで陥ってしまう。

そういったネガティブな環境を自分が作ってしまうことを考えると、謙遜しすぎるのは本当によくないことです。

大事なのは「いえいえ」の代わりに、「ありがとうございます」と素直に感謝すること。「ありがとうございます。うれしいです」とポジティブな気持ちをあらわせると、なおいいですね。