苦手な人の口癖は「あなたのために言うけど」

育った環境が違う以上、価値観が違うのは当然です。人間関係で肝心なのは、それをどこまで尊重できるかということです。

「苦手な人」というのは、たいていそこを尊重せずに指摘してくる人。そういう人は、価値観を尊重しないばかりか、自分の価値観を押しつけてきます。「あなたのために言うけど」というマジックワードで攻めてくるので要注意。プライベートにズカズカと踏み込んで攻撃してくる人もいます。それがけっこうしんどいという人は多いですね。

会社という組織は、友達選びとは違いますので、上司や同僚、部下などを自分のタイミングで選ぶことができません。「苦手な人」がいても遠ざけることが難しいのです。

実はこういう苦手な人対策として、リモートワークは非常に有効でした。人間は心の距離と物理的な距離が合致していると心が安定します。リモートワークなら心理的に距離を取りたい苦手な人と、自然と物理的な距離を保つことができたわけです。

それが、緊急事態宣言が明けて、また出社するようになると、意識して心の距離をとっていかないといけません。

土足で踏み込む相手に「無関心」でいる方法

では、どうやったら心理的距離をとることができるのでしょうか。いちばん距離をとれるのは「無視」です。リモートワークでは、「無視」することも可能だったわけです。出社が当たり前になってくると、とくに相手が上司の場合は無視するわけにはいきませんから、その一歩手前の「無関心」が大きな解決策となります。

とはいえ無関心を装うのも、なかなか難しいもの。そのときに有効なのが、あるイメージ像をつくって、そこに自分を寄せていく方法です。「キャラを演じる」と言うとわかりやすいでしょうか。私がおすすめしているイメージ像は「凛とした自衛官」。表面的には丁寧で穏やか、凛としたいい人だけど、正直何を考えているかわからない、自分を第一に考えて守る自衛官。これは特に自分を攻撃してくる人に有効なイメージ像です。

攻撃してくる人というのは、相手の反応がわかると、面白がってより攻撃してきます。でも何を考えているかわからない人は攻撃しにくい。攻撃欲求をそぐのです。