頭に思い浮かべるだけでは「考える」とは言わない
基本2「考えると思うは違う」
人は1日に6万回、何かを考えているという説があるそうです。すごい思考量です!
ただ、その中身をひも解いていくと、毎日の思考は「考える」と「思う」に分けられ、そのほとんどは「思う」で占められているのではないでしょうか。
「考える」と「思う」の違いはどこにあるのか。
好きな人がいるときのことを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。大好きな人です。「いま、なにやってるのかな?」とか「こないだのデート楽しかったな」とか、頭の中は好きな人のことで占められている、いつも相手のことを考えてしまう。
こんな経験、ないでしょうか? 僕にもあります。いつも好きな人のことを「考えている」。でも、この場合の「考えている」は、「思う」です。
「考える」は目的のために意識的に思考すること。
「思う」は頭に浮かんでくる、感じること。
でも、「思う」を「考える」だと誤解しているケースもあります。
「一生懸命考えたんですが、答えがまったくわかりませんでした」そんなことを言う人がいます。この場合、「考えている」のではなく、「思っている」状態がほとんどです。それだとなかなか答えは出てきません。
基本3「考えるには、論理的に考えると非論理的に考えるがある」
「考える」=「論理的思考」と思われがちですが、「考える」には「非論理的思考」もあります。論理的思考が苦手な領域があるんです。例えば、これまでになかった新しい商品を生み出したいとき。「論理的思考」では壁にぶつかってしまうことがあります。
いままでにないものを考えるということは、未来を考えるということでもあります。「未来」は誰にもわかりません。ロジカルに考えることも大切ですが、それだけだと答えが導き出せないことがあります。
「ガリガリ君リッチコーンポタージュ」が誕生したきっかけ
非論理的思考をうまく活用しているなと、感心した事例があります。
それが、大ヒットした「ガリガリ君リッチコーンポタージュ」です。みなさんも発売当初、驚いたんじゃないでしょうか。アイスにコーンポタージュって……すごい発想ですよね。
この商品の開発秘話は、『ガリガリ君の秘密 赤城乳業・躍進を支える「言える化」』(日本経済新聞社)という本に出ていますので、興味がある方はぜひ読んでみてください。
この商品を生み出したのは20代の若手社員だそうです。きっかけはガリガリ君リッチシリーズが最近守りに入っているんじゃないかという小売業の方からの厳しい指摘だったそうです。
ガリガリ君を発売している赤城乳業は「遊び心」や「冒険心」を大切にしている会社ですが、このリッチシリーズにそういった要素が感じられなくなっていたことに気づき、原点に立ち返り、新しい商品の企画を考えていったそうです。
コーンポタージュに目をつけたきっかけは、人気のお菓子「うまい棒」のコーンポタージュ味だったそうです。コーンポタージュとアイスを組み合わせたらいけるんじゃないかという思いから企画したそうです。
ロジカルに考えると「コーンポタージュ×アイス」はおいしくなさそう、尖りすぎという結論になりそうです。でも、思いや直感など非論理的なところから思考することで、常識を突破していったわけです。結果、この商品は大きな話題を生み、ヒット商品になりました。