2.自分の気持ちを大切にする「感情ゾーン」
感情ゾーンの人は、その能力を発揮するには気持ちの高まりや「好き」といった感情が原動力となります。
感情ゾーンが拡張している人は、自発性、情熱もすべて感情次第。
良好なコミュニケーションを保つなら、個人的な話題やつながりを持つことが大切です。たとえば、仕事をしているときでも「お母さん、お父さんは元気?」「子どもの受験、親も大変だよね」と、プライベートなことも聞くと、コミュニケーションがスムーズにいくようになります。特に共感や分かち合いが好きなので、共通の話題があると一気に距離が近くなります。
もしもこのタイプが部下の場合、存在価値を認めてあげることがポイントです。
感情ゾーンには耳があります。耳から入る言葉や情報に敏感に反応して、意気に感じて行動します。「君にしかこの仕事はできないんだよ」と、相手を認めるほめ言葉、日本的に言えば一種のおだてによって、才能が開花するとも言えます。
また鼻も感情ゾーンに位置しています。「鼻が膨らむ」と言われるように、鼻は感情がダイレクトに表れやすい器官でもあります。鼻の状態は、その人の感情を正直に反映します。
本題より、まず感情の交流から
感情ゾーンのお客様に車を売りたいケースを考えてみましょう。このタイプの場合、車そのものよりもまずは相手と感情を分かち合うことを優先します。
「まだまだ育児に時間を取られてしまいますよね。自分一人の時間がなくて大変じゃないですか。でも、車に乗ると一人だけの時間がつくれますよ。お子さんと一緒に乗るのも楽しいですが、一人でドライブするのもいいものですよ」
このように相手に共感していきます。
「あ、この人は私のことをちょっとわかってくれている。いい人かもしれない。買うならこの人がいいかな……」
商品よりもまずはあなた自身を気に入ってもらえるように心がけると、購買に近づいていきます。
気をつけなければならないのが、感情ゾーンの人は往々にして「ただの気持ちの分かち合い」で終わってしまうケースがあること。「この人と話ができて楽しかった」で満足して帰ってしまい、次回は別の店に行ってしまう場合もあり得ます。
ですので「この人は買ってくれるのか、買ってくれないのか?」という見極めは慎重に判断する必要があります。もしお客様が迷っているのならば、性能や価格よりもお客様の好みの車を後押ししてあげる、そして「実は私もこの車が一番好きなんです」と好みを共感してあげること。一度仲よくなれば、長いお付き合いになりやすいのも感情ゾーンのお客様の特徴です。