1.ゼロから1を生み出す「思考ゾーン」

思考ゾーンが拡張している人は、想像力が豊か。ゼロから1を生み出す仕事が得意です。もしもこのタイプが部下の場合、仕事を頼むポイントは二つあります。

一つは「その仕事をすることの意義を明確に説明し納得させる」こと、もう一つは「その人が持っている実力・能力よりもレベルが少し上の仕事を頼む」ことです。

思考ゾーンの人は、何ごとも理解しないと受け入れません。仕事を頼まれたときも、その目的や意味を理解しようとするので「これ、やってくれないかな?」とだけ頼んでも「目的はなんですか?」「誰に対してのものですか?」と疑問を抱き、納得しない限り、心から受け入れようとしません。回答は必ず明確にすることが重要です。

知ったかぶりは絶対にNGです。適当な答えを言うと、一気に軽蔑されます。

思考ゾーンの人には、知らないことは「知らない」と素直に言ったほうが得策です。知らないことをバカにすることはありませんし、逆に教えてもらう姿勢を見せる人に対しては、相手が理解するまでわかりやすく説明してくれます。

「ああしろ」「こうしろ」と言われたくない

また思考ゾーンの人は、知的好奇心が刺激されないとモチベーションが上がりません。自分の能力や実力よりもレベルが下のことを頼んでしまうと、「過小評価されている」と感じ、仕事への好奇心が湧きません。

自分の実力・能力を超えられるか超えられないかという仕事をチャレンジとしてとらえ、積極的に取り組んでいきます。「どうすればいいか?」と想像力を駆使し、理想の実現のため、あらゆる方法を考えます。

このタイプの部下には、実力や能力よりもレベルがちょっと上の仕事を与えましょう。その人の実力・能力からあまりにかけ離れたハイレベルの仕事を渡してしまうと、想像力の豊かさがマイナスに働き、「ムリムリ」「これは絶対にダメだな」と、頭の中であきらめて、早々に白旗を揚げてしまいます。

「少し上」「少し上」を意識させることによって、最後は才能が開花するのが思考ゾーンの特徴です。

また人から「ああしろ」「こうしろ」と言われることが大嫌いです。よかれと思っても、あれこれ言わないほうが賢明です。レベルが上の仕事に取り組んでつまずいたときにだけ力になってあげる存在になると、とても喜ばれます。

矢継ぎ早な質問には的確に回答を

あなたが営業担当で、思考ゾーンのお客様に車を売りたいケースを考えてみましょう。このタイプの人には、車の機能や特性について詳しく説明していくことがポイントです。自分の目で見た情報を好むので、カタログなどがあれば見せながら説明するのもよいでしょう。

それに対し、「これは何?」「どうやるの?」「どうしてこうなっているの?」と矢継ぎ早な質問が来た場合は、あなたは的確に答えなければいけません。もちろん知ったかぶりはNGです。適当な返答は相手を苛立たせます。

説明に納得してもらったら、次は好奇心を刺激するイメージづくり。想像力が豊かですから、それをうまく刺激していきます。

「この赤いスポーツカーで海辺を走ったら、青い空と海に赤が映えて素敵ですよね」

なるべく具体的にそのシーンを想像させ、購買意欲をかき立てていきます。イメージVTRなどがあれば、それを見せるのも効果的です。持ち前の想像力で自分をその映像の中に投影させ、購入イメージを膨らませます。