第一線で活躍中の女性管理職のみなさんにお話を聞く、人気連載「女性管理職の七転び八起き」第15回。今回取材したのは、鹿島建設 建築設計本部品質監理統括グループ(建築グループ)の長塚直美子さん。長塚さんに突如訪れた試練は親の介護と仕事の両立。身近に相談できる人もいない中、長塚さんはどのように人生一の困難を乗り越えたのでしょうか。また、その経験をふまえた上で、今後介護と仕事の両立に悩む女性へ長塚さんが伝えたいアドバイスとは――。

学生時代からの夢を追い「建設業界」へ

建築業界で働くことは学生時代からの夢だった。当時は女性が少ない業界だけに「閉鎖的かもしれない」と案じる女性教師の忠告もあったが、大学では設計を学んで、ゼネコンを志望する。

鹿島建設に入社したのは1992年。オフィス、ホテル、ショッピングセンターなどの商業施設からなる「東京イースト21」が完成し、「鹿島」の総力を結集した開発事業が注目された年だった。

鹿島建設 建築設計本部品質監理統括グループ(建築グループ)長塚直美子さん
鹿島建設 建築設計本部品質監理統括グループ(建築グループ)長塚直美子さん(鹿島建設提供写真)

「就職活動のころはバブル景気がはじけた時ではあったけれど、社内には活気があって、女性も多く採用された時期でした」