やらなければならないことがつい抜けてしまった経験はありませんか? 予定や時間を守る行動は脳が大きく関わっています。今回は理学療法士の菅原洋平さんに、記憶力を高め時間内に質の高い仕事ができる時間管理術を教えてもらいます。

※本稿は菅原洋平『脳をスイッチ! 時間を思い通りにコントロールする技術』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。

日本人女性はノートにメモを取る
※写真はイメージです(写真=iStock.com/kazuma seki)

予定の覚え方は2タイプある

予定を覚えて、一旦脳内にストックして、しかるべきタイミングで思い出す記憶のことを、「展望記憶」と言います。

展望記憶には、2つの要素があります。「今日は何かあったはず」と予定があったことを思い出すことは、「存在想起」と呼ばれます。さらに「電話をかけることになっていたけどいつまでだっけ?」と予定がある日程より内容を思い出すことは、「内容想起」と呼ばれます。

この2つは、大脳の中で担当している部位が異なると考えられています。存在想起は行動の計画を立てる前頭葉が、内容想起は記憶を司る側頭葉が、それぞれ担当しています。

6日後に電話をかけるという予定の場合は、「6日後に何かある」と覚える方が覚えやすい人と、「電話をかけることになっている」と覚える方が覚えやすい人がいます。私たちは、無意識でどちらかの覚え方を優位に使っています。

(中略)