言いにくいことでも指摘して改善させることは、上司の重要な役割。ただ、ネガティブフィードバックは、テレワークで離れているときは避けがちになります。目の前に部下がいないときでも、上手に改善点を伝える方法とは――。
ビジネス女性
※写真はイメージです(写真=iStock.com/imtmphoto)

上司には的確なフィードバックが求められている

部下とともに日々の業務プロセスや結果を振り返り、次につなげるための日常的なフィードバックを行うことは、上司の重要な役割の1つです。

テレワークの普及により、コミュニケーションの機会が減る中、上司は、その少ない機会の中で、的確にフィードバックすることを求められています。

フィードバックには、「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」の2つがあります。ポジティブフィードバックとは、相手の望ましい言動や肯定的な変化を認めて伝える関わりです。一方、ネガティブフィードバックとは、相手の望ましくない言動を指摘し、改善を求める関わりです。

今回は、テレワークで避けがちになる、部下へのネガティブフィードバックについて解説します。

ネガティブフィードバックは人間の欲求に反する関わり

まずは、テレワーク以前に、そもそも対面ですら避けがちになる理由を、上司・部下の視点から考えてみましょう。

上司視点:ハラスメントリスクに加え、部下に敬遠されたくないという感情があるから
部下視点:「ありのままの自分を認めてほしい」という承認欲求とは逆の関わりだから

ネガティブフィードバックは、人間の欲求に反する、難度の高いコミュニケーションであることが分かると思います。加えてテレワークだと以下の3つの点で、上司にとってはさらに難しくなります。

事実把握:部下と接する時間が少なくなり、ネガティブフィードバックすべき事実を捉え辛い
タイミング:部下の状況や内面を把握できず、適したタイミングが判断しづらい
フォロー:ネガティブフィードバックした後の心理的フォローのタイミングが偶発的に起こり辛い

以上の理由から、ネガティブフィードバックを避けがちになるのです。