テレワーク時にとくに注意すべきこと
冒頭でお伝えしたテレワークでネガティブフィードバックを避けがちになる3つの原因も解消できると、さらにフィードバックの効果が期待できるでしょう。
事実把握:具体的な言動を捉えられない前提で、結果状態から要因の仮説を立て、直接部下に確認する関わりをお勧めします。あくまで仮説でしかないので、部下の意見は、特に尊重することを意識しましょう。
タイミング:テレワーク時こそ、テレビ会議システムを用いて定期的かつ頻繁に1対1で部下と対話する場(1on1)を、仕組みとして設けることをお勧めします。部下の状況や内面を日常から把握しておくことで、ネガティブフィードバックの適切なタイミングを判断しやすくなります。
フォロー:上司だけではなく、同じグループの部下に心理的フォローの依頼をするのもよいでしょう。依頼された部下からすると、負担がある一方で、上司から頼られていると感じるものです。
加えて、ネガティブフィードバックする上司側にも心理的な負荷がかかるので、同じ役職同士で、支え合える関係や、想いを吐き出せる場を意図的に設定したほうが良いでしょう。
会議システムが電話か……最適なツールは?
コミュニケーションに最適なツールは、フィードバックの内容や、部下の想定される反応にもよりますが、推奨の順番は、「会議システム、電話、メール・チャット」になります。
こちらは、ネガティブフィードバックした際に、部下の反応を把握しやすい順番です。繰り返しますが、目的は部下の望ましくない言動を改善することなので、部下の反応から、納得しているか・反発しているかを捉え、その後のコミュニケーションを検討するとよいでしょう。
ここまで、テレワークで避けがちになる、部下へのネガティブフィードバックの方法をご紹介してきました。
ネガティブフィードバックの方法はもちろん重要ですが、それは部下との信頼関係があってこそ活かされます。信頼関係があれば、「この上司は自分の為に良かれと思って伝えてくれている」と部下は捉え、自分の言動を改善する可能性は高くなるからです。物理的に離れていることが多い今こそ、部下との関係を見つめ直してみてはいかがでしょうか。
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ベンチャー企業・商社勤務を経て、2013年、リクルートキャリア入社。斡旋事業部の管理職として、部下がパフォーマンスを最大限発揮できるコミュニケーションを追求。その取り組みが評価され、最優秀マネジャー賞など、数々の表彰を受ける。19年、リクルートマネジメントソリューションズへ転籍。コンサルタントとして、上司部下間のコミュニケーション改革を起点とした、組織開発に携わっている。国家資格 キャリアコンサルタント。