なぜネガティブフィードバックは重要なのか
それでも、部下へのネガティブフィードバックが必要な理由を3つご紹介します。
育成の観点:部下が成長する為に必要な課題を、自分で気付ける関わりだからです。
下記の図は、心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムが発表した、ジョハリの窓という概念です。これを上司・部下の関係に当てはめると、「上司は知っているが、部下は知らないという盲点の窓」が、上司からのネガティブフィードバックで部下が気付ける領域になります。
関係性の観点:部下が、周囲との関係を改善するきっかけになる関わりだから。
部下が、無自覚、または良かれと思って取った言動が、時に周囲に悪影響を及ぼすことがあります。その際にネガティブフィードバックをすることで、周囲との軋轢を無くすきっかけとなり得るのです。
パフォーマンスの観点:組織のパフォーマンスを向上させる上では、ポジティブなコミュニケーションを土台に、ネガティブなコミュニケーションも一定レベル必要となるから。
社会学者マルシャル・ロサダが、数十社を対象に、組織・チーム内でのポジティブな言動とネガティブな言動の量を比較しました。結果、ポジティブなコミュニケーションとネガティブなコミュニケーションの比率が、約3:1の組織・チームが、最も成功する確率が高いことが判明したのです(ロサダライン 3:1の法則)。ちなみに夫婦間では5:1が最適だと言われています。