私が「管理職はいいことしかない」と思う3つの理由

いろいろな不安があると思いますが、私は実際に管理職になった女性たちからは、「後悔している」という話を聞いたことがありません。私自身も小学4年生の子どもがいて、育休から復帰して少したった頃に管理職になりました。当初は確かに不安がありましたが、あのとき決断して本当によかったと思っていますし、むしろ「いいことしかない!」という印象を持っています。

1.仕事の幅が広がり、成長できる

私の場合は、何よりも成長の余白を感じられたことが大きかったです。キャリアを重ねると仕事のだいたいのことはできるようになって、だんだんと新鮮味がなくなってきませんか? 管理職になれば、入ってくる情報のスピード、量、質がそれまでとは明らかに変わる。自分に任される仕事の幅がぐんと広がり、影響力の範囲も大きくなることでやりがいがかなり違ってると思います。きっと、今まで以上に仕事が面白くなりますよ。

2.時間をコントロールしやすい

以前より仕事もやりやすくなりました。それは、自分の裁量の中で決められることが増えるぶん、時間のコントロールもできるからだと思います。先ほども申し上げたように、管理職はいろいろな情報が早く入ってくるので、そのときの状況に合わせてスピーディーな対応ができるようになります。また、できることはメンバーにも権限譲渡して、自分だけしか判断・対応ができないということを減らしています。女性はわりと責任感が強い人ので、何もかも自分一人で何とかしようとするタイプが多いように感じます。以前と比べると今は、会社や周りの人の理解も随分高まってきているはずなので、上司やメンバーに協力をお願いして仕事をシェアしてもいいし、無駄な業務は整理してもいい。全部自分でやろうと思わずに、素直に助けを求めることが大切だと思います。

3.「ポータブル・スキル」が身につく

マネジメントスキルを身につけられることは最大のメリットです。マネジメントスキルは「ポータブル・スキル」とも言われ、業種や職種を超えて通用する汎用性の高いスキルです。今、35歳の場合、70歳まで働くとするとあと35年は仕事を続けることになります。企業を取り巻く環境の変化はどんどん激しくなっているので、さまざまな選択ができる状態にしておいたほうが良いのではないでしょうか。例えば、自分の意思に関係なく転職をせざるを得ない状況になることもあるかもしれませんし、会社の中で別の業務に配置転換される可能性だってある。もしもそうなっても「ポータブル・スキル」を身につけておけば心強いはずです。スキルはかけ算。経理ができて、マネジメントもできるとすると、転職する場合もバリューはさらに高くなります。

今の会社で管理職になるチャンスがない場合は、ぜひプロジェクトマネジメントに挑戦してみてください。転職する際は面接などでも、「何かプロジェクトを引っ張った経験があるか」「プロジェクトマネジメントでどんな課題を見出し、どんな工夫をしたか」を問われることがあるので、まずはそこからチャレンジしてみましょう。