欠点を逆手に取った逆転の発想
おそらくカロリーメイトも売り上げが頭打ちとなったため、いままでとはまったく違う角度からの魅力を打ち出すことにしたのでしょう。2012年末から受験生の勉強や集中を応援する「とどけ、熱量。」が始まっています。また数年前にはポーランドの女流棋士をサポートし始め、サイトでも「考える人を応援するカロリーメイト」というメッセージを明確に出しました。
そして2019年の“KEEP THINKING”です。実はこれは、カロリーメイトの欠点を逆手にとった発想から生まれています。忙しくてちゃんとした食事がとれず、カロリーメイトでしのいだ経験のある人は多いと思います。しかしカロリーメイトだけでは、しばらくするとお腹が空いてしまったのではないでしょうか。この「満腹にならない」という欠点を、“KEEP THINKING”のCMでは、逆に長所として強調しているのです。
「考え続ける人にとって、栄養は味方になる。満腹は邪魔になる。“KEEP THINKING”、バランス栄養食、カロリーメイト」というナレーションは、「頭脳労働に従事する人にとって、作業を中断することなく栄養がとれて、しかもお腹がいっぱいになりすぎない(ということは眠くならない)カロリーメイトは味方ですよ」と訴えている。まさに逆転の発想です。