※本稿は、堀野正樹『マーケティング偏差値を高めて売上アップにつなげる ひとりマーケターの教科書』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
「Iメッセージ」から「Youメッセージ」へ
商品メッセージが「自社目線」になっていませんか? 顧客が本当に知りたいのは「自分にどんなメリットがあるのか」に尽きます。この節では、顧客視点に立った効果的なメッセージのつくり方を具体例と共に解説します。
あなたの商品説明、「Youメッセージ」になっていますか?
商品メッセージを考える際、伝え方には大きく2種類あります。「Iメッセージ」と「Youメッセージ」です。この違いは、企業が何を優先して伝えているかによって分かれます。
なぜ、Youメッセージが重要なのか?
Youメッセージが重要な理由、それは顧客が商品やサービスを選ぶ際、自分の生活や仕事を改善する価値を感じるからです。Iメッセージでは「それが自分にとってどう役立つのか」が伝わらないため、購買意欲を刺激しにくくなります。
一方Youメッセージは、顧客の視点に立ち、「この商品を使うと自分にとってどんな未来が待っているのか」を具体的にイメージさせる効果があります。顧客が自分自身の課題解決や理想実現を強く想像できるほど、商品への関心が高まり、購買行動につながりやすくなります。
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顧客の心を動かす商品メッセージ
「お客様が得られるうれしいこと」は何? お客様が本当に求めているのは、商品そのものではなく、「それを使った結果、自分にとってよいことが起きる未来」です。例えば、マーケティングの世界でよく使われるたとえに「ドリルを買いに来た人がほしいのはドリルではなく『穴』」というものがあります。これは、「道具」ではなく「その道具がもたらす便利さや成果」が購入の理由になるという意味です。
お客様が得られるとうれしいことや具体的なメリットを、マーケティング用語では「ベネフィット」と呼びます。よくマーケティングの世界で言われる「ドリルを買いに来た人が本当にほしいのは穴」という例がわかりやすいですね。
● 特徴(Feature):製品のスペック(高耐久、最新技術など)
● ベネフィット(Benefit):使う人の生活がどう改善されるのか
つまり、「どんなよい未来が待っているか?」を伝えるのがベネフィットです。ベネフィットを見つけると、以下のような効果が期待できます。
● 成約率(CVR)が向上する
● 顧客のリピート率アップ
● 広告の配信効率がよくなる