おしゃれに大リニューアル
「実はリニューアル前、ブルー基調のクレベリンの容器は、『来客に見せたくない』や『インテリアになじまないので、写真立ての後ろに隠している』といった声が、主婦の方々から寄せられていました」と中島さん。
そこでリニューアルに向けて、世界的に有名なデザイナーであり建築家でもある、佐藤オオキさん(デザインオフィス「nendo(ネンド)」代表)にデザインを依頼。製品本体が生活シーンに溶け込むよう、“白”を基調にしたシンプルなデザインに変更しました。
またブランドのアイコンとして、おしゃれな「C・(シードット)」を採用。視認性を高めることで、クレベリンブランドの認知拡大を狙ったといいます。
男女で驚きの違いが出た消費者調査
一方、消費者調査では、注目すべき結果が出ていました。
それが、衛生対策に関する年代別の意識変化について、“男女”で大きな違いがあるという事実。中島さんによると、「男性は、人生を長い目で見た場合、『このころにクレベリンの需要が高まる』という節目はなく、ほぼ常にフラットなままでした」とのこと。
ところが女性には、大きな2つの山がありました。1つが「妊娠」、もう1つが「わが子の受験期」です。
そう、冒頭でふれた通り、一般に受験シーズンはウイルスが流行する冬と重なる。だからこそ、世のお母さんたちは「せめて部屋にクレベリンを置くことで、わが子をウイルスから守りたい」と、「お守り」のようなイメージを抱くのでしょう。
実は、大幸薬品の古くからの主力商品・正露丸も、「受験期に(腸の動きを整える)『お守り』感覚で持っている方が多そう」だと中島さん。その辺りにも、クレベリンの新たなコンセプトにつながるヒントがあったのかもしれません。